第六十八話 入学式その二十二
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「いますよね、大阪生まれの」
「ああ、百何とかとかいう人ね」
「僕あいつみたいに正義とか言わないんです」
「あいつ呼ばわりね」
「あいつ正義って言いますけれど」
それでもというのです。
「ああいうのは独善ですから、独善は嫌いですから」
「言わないのね」
「そうしたことは」
私に強い声で言いました。
「言わないですよ」
「そうなのね」
「だからあいつ嫌いで」
それでというのです。
「絶対の正義もです」
「嫌いなのね」
「絶対の正義持ってるって思ったら人間一番残酷になるんですよ」
新一君の言葉は凄く厳しいものでした、こんな厳しいものを言う新一君ははじめて見ました。正直驚いています。
「誰よりも」
「あの作家さんもそうかしら」
「あいつは偏見が服着て歩いてますよ」
厳しい言葉はそのままでした。
「よく他の人を人間の屑って言いますけれど」
「自分がなのね」
「そう思います、とっとと日本から追い出されて」
新一君の相変わらずの嫌いな人は徹底的に嫌う癖性分だと思いました。
「批判してますけれどそっくりな北朝鮮に行けばいいんですよ」
「あの国になのね」
「そこでどうでもなればいいんですよ」
「本当に嫌いだと徹底的ね」
「これはどうにかしないといけないんですね」
「そうよ、けれど新一君自分を残酷って言っても」
それでもです。
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