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イベリス
第四十二話 完成その三

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「まさにね」
「そういうことね」
「だからね」
「私もなのね」
「努力してね、お父さんもしているし」
「お母さんもなのね」
「家事やってどうするかも考えて」
 そうしてというのだ。
「パートもしてるでしょ」
「スーパーでね」
「そうもしているから」
 だからだというのだ。
「少なくともしているつもりだから」
「つもりなの」
「自分でしているつもりでも他の人から見ると」
「してないの」
「そうも言われることがあるから」
 だからだというのだ。
「こう言ったのよ」
「そうだったの」
「そう、けれどお母さんから見て咲は努力しているから」 
「このままなのね」
「していってね」
 その努力をというのだ。
「いいわね」
「そうしていくわね、それで将来はね」
「生きていくわね」
「そうなるわね」
「咲が幸せに生きていければいいのよ」 
 母は娘の言葉に応えて微笑んでこうも言った。
「お母さんもお父さんもね」
「そうなの」
「私達の娘だから」
「子供だから」
「子供にそう思うのはね」
 それこそという言葉だった。
「親なら当然よ」
「親なら」
「そう思わない親なんてね」
「毒親?」
「そう、それよ」
 毒親、そう言われる者だというのだ。
「まさにね」
「そうなのね」
「毒親なんて言われたら」
 それこそとだ、母はさらに言った。
「親として失格よ」
「だから毒なのね」
「そう、それでお母さんもお父さんもね」
「そうは思わないわ」
 こう咲に話した。
「本当にね」
「子供、私のことを」
「考えて」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「言うのよ、自分さえいいのなら」
「親になったら駄目?」
「そんな人実際にはいるけれど」
 それでもというのだ。
「親になるべきじゃないわ」
「絶対によね」
「そうした人を反面教師にして」
 そうしてというのだ。
「それでね」
「親になるべきなのね」
「咲もね。咲も結婚するつもりでしょ」
「いや、まだ想像も出来ないわ」
 咲は首を傾げさせて答えた。
「どうもね」
「まだ高校生だから?」
「だからね」
 それでというのだ。
「どうしてもね」
「まあそれ言ったらお母さんもね」
 娘の言葉を聞いてだった、母はそれならという顔になってその頃の自分のことを思い出して語った。
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