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麗しのヴァンパイア
第四百二十八話

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第四百二十八話  とろろを食べ終えて
 カーミラはとろろご飯を三杯食べた、そうして言った。
「あっという間に食べられて」
「美味しくですね」
「そして滋養にもいいですので」
「これはかなりのものかと」
「とろろご飯というものは」
「日本人はこんなものも食べているのね」
 カーミラは考える顔で述べた。
「そうなのね」
「そう思うとですね」
「羨ましくもありますね」
「この様な美味しいものを食べているとは」
「まことに」
「他の国にはないわ」
 カーミラは自分の知識から話した。
「アジアにもね」
「はい、流石に」
「この様なものはありません」
「他のアジアの国にも」
「山芋を擦ってご飯に食べることは」
「そうしたことはしません」
「日本独自のものであり」
 そうしてというのだ。
「美味ね、お腹も一杯になるわ」
「とろろはお腹の中で膨れます」
「そうなる食べものですから」
「そうもなりますね」
「その意味でもいいものですね」
「そう思うわ、そして」
 カーミラは使い魔達にさらに言った。
「今からよね」
「はい、お酒を出します」
「その前にデザートがありますが」
「そうさせて頂きます」
「柿と梨を食べて」 
 そのデザート達をというのだ。
「そしてね」
「そのうえで、ですね」
「お酒を飲まれますね」
「そうされますね」
「それでお酒は何かしら」
 そちらの種類についても問うた。
「一体」
「各種ありますが」
「日本酒と白ワインがお勧めです」
「肴は枝豆と冷奴なので」
「どちらかになります」
「そう、ではディナーの時も日本酒にするわ。気分的にはそちらだから」
 カーミラはこう答えた、そうしてそのうえでデザートを食べて酒と肴が来るのを優雅に待つのだった。


第四百二十八話   完


                   2021・12・9
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