第七幕その六
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「もっと大阪と大阪の人達を書いて欲しかったよ」
「織田作さんの実家にも近いしね、ここ」
「歩いて行けなくもない?」
「少なくともバスだとすぐだよ」
「地下鉄でもすぐに行き来出来るし」
「そう思うと」
「残念だね」
また言う先生でした。
「本当に」
「そうだよね」
「本当にね」
「織田作さんは長生きそて欲しかったよ」
「鶴橋以外にも」
さらにというのです。
「西成や生野、京橋、鶴見や淀川の向こうに梅田にってね」
「大阪も色々な場所あるし」
「その色々な場所書いて欲しかったね」
「ずっと大阪にいて」
「そうしてね」
「というか織田作さんは大阪から離れないね」
こう言ったのはダブダブでした。
「そのイメージないよ」
「京都の学校に行って東京にもいたことあっても」
チーチーも言います。
「織田作さんはやっぱり大阪だね」
「もう頭の髪の毛の先から足の爪の先まで大阪だね」
ホワイティも言います。
「あの人は」
「そんなイメージだね」
ジップも言いました。
「どう見ても」
「大阪に生まれ育ってるだけじゃなくて」
「本当に大阪を愛しているから」
チープサイドの家族もお話します。
「だからね」
「織田作さんは大阪なしでは考えられないね」
「確か司馬遼太郎さんも大阪の人で」
トートーはこの偉大な歴史小説家の名前を出しました。
「大阪に生まれ育って終生大阪におられたけれど」
「あの人も大阪の趣そのものでもね」
老馬は言いました。
「織田作さんまで強くないんだよね」
「大阪の人の文化人やタレントさんやスポーツ選手は多くて」
「大阪にいる人も多いけれど」
それでもと言うオシツオサレツでした。
「織田作さんはその中でも特にだね」
「大阪を感じるから」
「あの人が大阪を離れることはないわね」
ポリネシアも言いました。
「例え長生きしていても」
「絶対に終生大阪だったわ」
ガブガブは断言しました。
「あの人は」
「そう、あの人は大阪から離れることはなかったよ」
事実そうだとです、先生は言いました。
「僕も確信しているよ」
「長生きしていても」
「ずっと大阪にいて」
「そして大阪を書いていた」
「そこにいる人達も」
「そうだったね」
「間違いなくね、だから井原西鶴さんと一脈通じるとも言われていたんだ」
元禄の頃のこの人と、というのです。
「あの人はね」
「大阪にいた人だから」
「作品にも同じものが出ていた」
「大阪とそこにいる人の息吹が」
「そうだったんだね」
「そうだよ、だから東京で客死したけれど」
それでもというのです。
「大阪に帰ってあらためてお葬式をしてもらったし」
「そしてお墓も大阪にある」
「その上本町に」
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