第四百八十九話 それぞれの世界を越えて〜絆を結ぶブイヤベース〜その九
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「凄くない?」
「これがいつもだ」
九内はそのリマにおかわりを差し出しつつ応えた。
「我々の訓練はな」
「皆集まるとこうなるの」
「そうだ、そしてだ」
九内はさらに話した。
「汗をかいて身体を鍛えてな」
「戦い方を頭に叩き込むのね」
「動きが条件反射になるまでな」
そこまでというのだ。
「行われる」
「凄いね」
「そうだな、しかしな」
「しかし?」
「すぐに慣れる」
リマに煙草を吸いつつ微笑んで告げた。
「この訓練にもな」
「そうなの」
「そうだ、だからな」
「このままやっていくのね」
「そうしていくことだ、そしてだ」
「今以上に強くなるのね」
「そうなる、だから頑張っていこう」
こう言って自分も林檎ジュースを飲んだ、そうしてまた言った。
「動けば動く程ジュースも美味くなる」
「煙草も?」
「当然な」
そちらもというのだ。
「だからこうした訓練も悪くない」
「そうなのね」
「確かにライダーの皆さんとの訓練の後のお食事は違います」
孝美も同意だった。
「物凄く美味しいです」
「まあ殺し合いみたいだしな」
ルナも言ってきた。
「一瞬でも気を抜いたら集中攻撃だしな」
「おう、狙ってるしな」
ロム爺は笑って棍棒を手にしている。
「お互いに」
「爺さんの棍棒も受けたら痛いしな」
「死にそうになるだろ」
「ああ、あと一歩でな」
ルナはロム爺に笑って応えた。
「そうなるからな」
「気を抜けないな」
「本当にな」
「俺の体当たりも効くだろ」
トップスピードも言ってきた。
「実際に全力でぶつかるしな」
「あんたさっき殺す気だったよな」
ロザリーはそのトップスピードに真顔で問うた。
「やっぱり」
「私達でもあと少しで直撃だったわ」
クリスも言ってきた、二人共メイルライダーの服のままである。
「それで直撃を受けていたら」
「死んでたぜ」
「だから殺すつもりでかからないと駄目だろ?」
これがトップスピードの返事だった。
「それでやったけれどな」
「そういうことかよ、だったらな」
「こっちだって今度は本気よ」
「お互いそれでいこうな」
「ああ、覚悟してろよ」
「容赦しないから」
「これって喧嘩する程ですよね」
コッコロは言い合う三人が笑顔になっているのを見て指摘した。
「やっぱり」
「そうだな」
九内はコッコロのその意見に同意だった。
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