第二章
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テーラーはアメリカのオハイオ州に行った時にふらりと喫茶店に立ち寄った、そこで相席になった穏やかな顔立ちの薄茶色の髭と髪の毛それに穏やかな顔の初老の男性の横に白い垂れ耳の大きな犬を見た。
犬は雄でテーラーを見ると愛想よく尻尾を振ったがここで男が微笑んで名乗った。
「セイビーっていうんです」
「その犬の名前はですか」
「ええ、少し離れていましたが今は」
「こうしてですね」
「一緒にいます、家で飼っていたんですが」
男はここで名刺を出した、名前はロナルド=コリガンといってバイク屋を経営しているとあり店の名前と住所も書いてある。
「急にです」
「いなくなったんですか」
「それで暫く探していたんですが」
コリガンはミルクティーを飲むテーラーにコーヒーを飲みつつ話した。
「見付からなくて」
「そうだったのですか」
「それがブラウン郡ヒューメインソサエティという動物保護団体のSNS、迷子犬の情報も出しているので定期的にチェックしていたんですが」
そうしていると、というのだ。
「いたんですよ」
「そうでしたか」
「そこのフェイスブックに」
そのサイトのというのだ。
「いました、それで連絡をしたら」
「その子だったんですか」
「セイビーでした」
「ワン」
ここでそのセイビーが鳴いて応えた。
「そうでした、ただ」
「ただ?」
「この子は走っている車から投げ出されて」
「酷いですね、それは」
テーラーも話を聞いて思わず顔を顰めさせた。
「幾ら何でも」
「どうも私から攫って」
「それで家で飼っていて」
「気に入らなくて。とてもいい子ですが」
コリガンは悲しい顔になって述べた。
「それがです」
「気に入らなくて」
「そうしたみたいです、すぐに通報を受けてその団体が保護してくれて」
「飼い主募集を見てですか」
「情報提供も。そこれでセイビーだとわかって」
それでというのだ。
「引き取ってです」
「またですね」
「こうしてです」
このことは笑顔で話した。
「暮らせる様になりました」
「それは何よりですね、しかし」
ここでだ、テーラーは。
何匹のバンから捨てられた犬のことを話した、するとコリガンはその話を聞いて沈痛な顔で述べた。
「世の中何処でもいるんですね」
「心無い輩が」
「そうですね、ですが」
「はい、私達はです」
「そんなことはしてはいけないですね」
「犬には命があります」
テーラーはこのことを確かな声で述べた。
「ですから」
「そのことを忘れないで」
「大切にしていきましょう」
「何があっても」
二人で誓い合った、テーラーはイギリスに帰ってもコリガンは彼と別れてもこのことを忘れなかった、そうして犬だけでなく他の命も愛し救っ
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