第2部
エジンベア
美少女コンテスト最終審査・中編
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人たちはこれで全員か?」
「は、はい。この子達で最後だと思います」
「向こうの方も、勇者殿とその仲間が魔物を倒してくださっている」
「こちらもあらかた魔物は片付けました!」
「そうか。ならば城内にいる人たちの安全確保を頼む」
「はい!!」
そう言って私たちに声をかけてくれた兵士は、別の場所へと向かった。
よかった、やっぱりユウリたちがなんとかしてくれてるんだ。
私が一息つくと、何やら城内が騒然としていた。
「おい、ヘレン殿下がいないぞ!!」
「そういえば、まだ迷路の中だ!!」
「まずい、もう戦える人は残ってないぞ!!」
――ヘレン王女が、まだ迷路の中にいる!?
城内の兵士はこういった状況に慣れていないのか、慌てふためいている。
「待ってください!! 私が行きます!!」
「え? 君が?」
「こう見えても私、勇者の仲間なんで、任せてください!! マギーはお城の中へ入って!!」
「ミオさん!? ちょっと待っ……」
私はマギーにそう言い残すと、お城の兵士たちに後を任せ、ヘレン王女を探すことにした。
そうだ、ヘレン王女はゴールに向かってたんだ。なら、ゴール付近にいる可能性が高い。
私はまた迷路へと戻り、ヘレン王女の行方を捜した。ふと自分の身体を改めて見ると、せっかくのドレスがあちこち泥だらけなうえに裾も破れまくっている。せっかくアッサラームのお店の人に仕立ててもらったのに、悪いことをしてしまった。ルカに借りたアクセサリーは幸い目立った汚れはなさそうだが、戦闘がまた起きれば時間の問題だ。
けれど嘆いている暇はない。辺りを見回すと、しばらく見ない間に魔物の攻撃を受けたのか、迷路だった場所は瓦礫の山と化し、すっかり視界がよくなっていた。
「ヘレン王女様ー!! どこですかー!!」
迷路の出口付近までやってきたが、王女の声はおろか、気配もない。それどころかあちこちに障害物に使った道具が転がっており、迷路に使っていた天幕や丸太などが無残に破壊され、散乱している。そして、その傍には何やら大きなものを引きずったような跡があった。
(なんだろう、これ……)
その跡をたどっていくと、城門まで続いていた。城門を見ると、なぜか門が開きっぱなしになっている。城門の傍には大きな岩が転がっており、その向こうにはうっそうと生い茂る森が広がっていた。
あれ? 大きな岩?
ふと気になってその岩に近づき、触ってみる。少し押しただけで岩を模したものは簡単に明後日の方へ転がっていった。
これってもしかして、コンテストで使用するはずだった張りぼての岩なのでは!?
そしてその岩が終着点であるかのように、引きずった跡はそこで止まっている。
おそらく魔物は、この城門から入ってきたのではないだろうか? それに、この引きずった跡とも
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