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俺様勇者と武闘家日記
第2部
エジンベア
美少女コンテスト最終審査・中編
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と、手を差し伸べた。けれどマギーは、その整った眉を歪ませながら、ふるふると首を横に振った。
「ご……めんなさ……。こわくて……足が……」
 見ると、彼女の全身が細かく震えている。どうやら立つことができないらしい。それほどの恐怖を、あの魔物は彼女に植え付けたのだ。
「わかった。私が負ぶって行くから、つかまっててよ」
「で、でも、それじゃミオさんが……」
「大丈夫。普段から鍛えてるから。ほら、あの魔物が起き上がらないうちに、早く!!」
 私の強い口調にびくりとしながらも、マギーは恐る恐る私の肩につかまった。私は彼女をおんぶし、そのまま立ち上がると、一番近い城の扉まで向かうことにした。
 とは言ったものの、やっぱり女性一人を背負うのって辛いなぁ……。私は心の中で弱音を吐きまくりながら、なんとか城の前へと辿り着く。
 だが、扉は閉まっており、鍵がかかっていた。おかしい、ついさっきまで何人もの人がこの中に入っていくのを見たのに、どうして今は閉ざされているのだろう。
「すいませーん!! 開けてください!! まだ人がいるんです!!」
 私は扉を叩き、大声で開けてもらうよう頼んだ。すると、すぐそばにいるのか、城内の人が叫ぶ。
「すまない、もうこちらは人がいっぱいで入れないんだ!! 悪いが他を当たってくれ!!」
「そんな……!」
 だが、考えればコンテスト会場には大勢の観客がいた。その人たちが一斉に城の中に避難すれば確かにそうなるだろう。
「……仕方ない、他を当たろう!」
 迷ってる暇はない。私は踵を返した。
「待って!! 降ろして下さい!!」
 突然、マギーが叫んだ。私は「無理しないで」と答えたが、彼女は半ば強引に私の背中を降りた。
「もう、走れます。でないと、ミオさんの足がボロボロになってしまいます」
 視線を落とすと、パンプスを脱いで歩いていたせいか、ストッキングは破れ、足は土まみれになっていた。そういえば、パンプスはどこにやったっけ。
「ありがとう。でもマギーの方こそ、無理しないで」
「大丈夫です。もう、一人で立てますから」
 そこまで言うと、マギーは足を震わせながらも気丈に歩こうとしている。私はそんな彼女の手を取ると、
「じゃあ、一緒に行こう。あそこにまだ城の中に入れる扉が見えるから、そこまで歩ける?」
「はい。大丈夫です」
 私は頷くと、マギーの手を引きながらゆっくりと歩いた。もちろん魔物への警戒も怠らない。そしてほどなく、いまだ開いている城の扉の前までたどり着いた。
「おーい、こっちだ、早く!!」
 私たちに気づいたのか、中にいる兵士が顔を出してきた。
「よかった……。まだ開いてて……」
 私はほっと胸を撫で下ろすと、マギーの手を離した。
 すると、城の奥から別の兵士が走ってきた。
「コンテストにいた
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