憑魔アンビバレンス
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公爵の言う通り、ニダヴェリールの闇の書事件で全てが……」
「どういう意味ですか? あなたは何を知っているんですか?」
「知りたいなら、まずはこちらをご覧ください」
彼女はツヴァイの前に投影モニターを展開する。その映像にあったのはミッドのある一ヶ所で行われている戦いだった。
片方はリトルクイーン=高町なのは、そしてもう片方は純白の髪をした女性、シャロン・クレケンスルーナ。アウターヘブン社シェルターの前から始まったその戦いは戦域ごと移動しながら行われていた。
魔力弾や砲撃の方が得意なリトルクイーンは奇妙な剣や籠手でシャロンの追撃を凌ぎつつ、飛行魔法で距離を稼ごうとする。対するシャロンもそれを理解しているため、離されまいと縦横無尽に走ってはリトルクイーンに喰らいついていく。しかし距離が離れてしまうと、途中で曲がる砲撃や雨あられの如く魔力弾が放たれる。そうなるとシャロンは妙な光の柱をリトルクイーンに撃ちつつ、フェイトの高速移動魔法に匹敵する速度で駆け抜け、無傷とはいかずとも攻撃を潜り抜けては再度追跡していた。そうやって一方が離れ、一方がそれを追う形になっているからこそ、戦いの場は相当な速さで変わっていた。
なお、アウターヘブン社の兵士はどうしてるかと言うと、シェルターの周囲に陣を敷いて守りを固めている部隊が多数を占めているが、一方でシャロンの加勢に向かおうとしている兵士も数名見られた。しかし銃火器を持たず軽装なこともあって非常に身軽なシャロンと飛行魔法で俊敏に動けるリトルクイーンと比べて、兵士達は魔導師ではない上に重装備なので中々追いつけずにいた。
「今、地上では月詠幻歌の歌姫と、リトルクイーンの戦いが行われています。この二人の戦いは公爵が仕組みましたが、運命に抗うためにはどうしても必要なことでした」
「運命? 抗う?」
「ツァラトゥストラの接触者、全ての始まりにして終わりなる者。世界の運命を書き換える鍵、事象変異機関ゾハルの疑似人格。彼女達の能力が半分の内に、制御方法を調べる必要があります。今ならまだ抑えが効きますから」
「ちょ、ちょっと待ってください! いきなり何の話をしているんですか!? ツァラトゥストラ? ゾハル? それに疑似人格って……」
「やはり、アウターヘブン社はあなた達に根本的な事態を何も明かしていないようですね。確かに内容を公にすれば次元世界全体が震撼するのは確実ですし、何よりアインスのことで頭がいっぱいなあなた達が知った所で何の役にも立たないでしょう。妥当な判断ですね」
「だから何の話をしているんですか!? わたしにもわかるように説明してください!」
「ではお望み通り、今のあなたでもわかる範囲だけ話しましょう。あの二人には世界創造に関わるロストロギアの力が宿っています。
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