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八条学園騒動記
第六百五十話 終わってからその十五

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「そっちで熱くなるのはね」
「普通に面白くて」
「それで熱くならいいよね」
「それならね」
「問題ないね」
「ええ、悪名は無名に勝るって言うけれど」 
 カトリはこの言葉も出した。
「炎上して叩かれっぱなしで悪評が定着するなら」
「無名の方がいいね」
「まだね」
「餓鬼より石の方がいいでしょ」
 まだ、というのだ。
「その方がね」
「まだね」
「その辺りに転がってる方がね」
「嫌われて飢えと渇きに苦しむより」
「あんな卑しい存在になるより」
 二人もこう返した。
「いいよ」
「確かにね」
「そうでしょ、餓鬼になるなら」
「まだね」
「石の方がいいね」
「ええ、石になる方がね」
 それこそというのだ。
「まだましよ」
「悪名も過ぎるとね」
 ジョルジュは箒で履きつつ言った。
「もう札付きになって」
「皆から信用されなくてね」
「もう何もやってもね」
「信用されなくてね」
「漫画家ならどうせまた酷い作品描くだってね」
「思うわよね」
「思うよ」 
 ジョルジュはその通りだと答えた。
「僕だってね」
「そうよね」
「そのことを考えたら」
「こうした場合は無名の方がね」
「いいね」
「もう何もかもがおかしい作品出してコメントへの返信や振る舞いが最悪で」
「大炎上し続けたら」
 ジョルジュはさらに言った。
「札付きになって」
「もう何描いてもね」
「大炎上が続くね」
「ペンネームや絵柄を変えても」
 例えそうしてもというのだ。
「けれどね」
「それでもわかるよ」
 ジョンが言ってきた、あちこちを~雑巾で拭いている。その横でカトリは机やものをせっせとなおしている。
「だってストーリーやキャラが酷過ぎるんだよね」
「作者のコメントへの返信とかもね」
「だったらそういうのとは関係ないから」
 ペンネームや絵柄と、というのだ。
「だからね」
「すぐにわかるでしょ」
「そうだよね」
「それでわかってね」
「また炎上だね」
「それの繰り返しよ」
「そうだね」
 カトリのその言葉に頷いた。
「本当に」
「まさにね」
「それウエブ投稿だよね」
「そうよ、ちなみに恋愛ものも元々はね」
「投稿作品だったんだ」
「投稿サイトのね」
「そこから人気が出たんだね」 
 ジョンもそこはわかった。
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