宵闇アンダーワールド
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を付けるのは微妙だな。
ここは、語感で決めるか。
「メルシゲェテ、とか、どう?」
「ありがとうございます!!!」
そう、無邪気に喜んだ。
それから、学習速度はさらに加速した。
時期に、私が教える必要も無くなってきた。
そして、自分から知識を獲得し始めた。
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いつからか、もう何を考えているのかわからなくなった。
次にどう動くか想像できない。それでも、どうやら懐いてくれているらしい。
「ねえ!!これ、どう!?」
急に大声を出したから、何かと思って見れば、いつもと雰囲気が違う。
なぜか、黒を基調とした、高級そうな衣装に身を包んでいた。
どこかから取ってきたのだろうか。
「似合いますか!!!??」
期待を込めた眼差しで聞いてくる。
もう、こいつの知能は計り知れない。
制御しきれないかもしれない。なら、せめてこの懐いている状態を維持するべきだろう。
「うん、すごく似合ってると思うよ」
「やった!!!!!!!」
そう、無邪気に喜ぶ。
もしかしたら、いつか人類が攻めてくるかもしれない。
こんな日々が、いつまで続くだろうか。
...ん?
自分の思考に、違和感を覚える。
今、この生活を惜しいと思ったのか?
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そんな生活が、長い間続いた。
窓を見つめて、呟く。
「まあ、奴は魔族上位種の中でも最弱だしな」
どうやら、人類が上位個体を一体打倒したらしい。
「ん?急にどうしたんですか?」
「いいや、何でもないよ」
「えー?何でもないわけないですよー」
そんな会話が繰り返される。
わかっている。こんなのは、人間の真似事なんじゃないかって。
「あっ、そうだ!これ、取ってきました!!!」
おもむろに、何かを取り出した。
これは...服?
「着てみてください!!!」
そうか、私のために、取ってきたのか。
その時、私は、今までの日々を思い出した。
そして、初めて実感した。
そうだ、私は、二人で過ごして、ずっと楽しかったんだ。
思えば、一言、声を聞いたときから、私は始まっていたんだ。
たった二人、手探りで、過ごしてきた毎日。
なら、これは人間の真似事なんかじゃない。
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