刻みし一閃の燈火
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基本能力、八幡力。それは、赤と黒で構成されたヤマタノオロチの肉体をどんどん駆け上がっていく。
「逃がさんぞ。我が同胞。そして人間よ」
遥か下から、ツクヨミの声が聞こえた。
すると、それが実際にヤマタノオロチの肉体にも発生していく。美炎が突入してきた、可奈美が開いた傷口。その修復速度が加速していく。
だが。
「行くよ清光……! これが、最後の全力!」
コヒメをより強く抱き寄せた美炎は、全身を炎に包み込む。
この後のことなんてもう考えられない。今持つ全ての力をこの一撃に込めた。
「神居!」
糸口ほどの大きさしかなくなった傷口。だがそれは、紅蓮の斬撃により、消失が止まる。そして。
「いっけええええええええええええええ!」
亀裂がどんどん大きくなっていく。ゆっくりとそれは、人間が通れる大きさになり。
そのまま、ヤマタノオロチから突破した。
赤と黒の世界から、真紅の炎の世界に移り。
全ての力を使い果たした美炎へ、、再生していく頭部と合わせ、八つの頭が狙う。
だが。
「太阿之剣!」
赤い刃が、八つの頭を一気に薙ぎ払う。
悲鳴を上げる八頭の蛇。
「コヒメちゃん!」
祭祀礼装を纏った可奈美の援護を背に、美炎とコヒメはハルトの隣に落下した。
「美炎ちゃん!」
荒魂の鎧を失った美炎が呻き声を上げた。彼女の右腕はひどく焼けており、赤く腫れていた。
「コヒメちゃん!? 成功したのか?」
「大丈夫?」
「大丈夫だよ……コヒメも」
「うん。大丈夫」
駆け寄る可奈美とハルトへ、美炎とコヒメは頷いた。一度ふらついた美炎は、右手から加州清光を取りこぼし、すでに戦闘不能なのは間違いない。
まだ魔力はありながらも、ヤマタノオロチとの一対一の戦闘で傷ついたハルト。
コヒメを助けることに全力を注いだことで、もう戦えなくなった美炎。
ならば、残った自分は。
「二人とも。ありがとう」
「可奈美……」
「後は……私がやる!」
千鳥を握り、八首の蛇を睨む。
ヤマタノオロチは吠えながら、再び可奈美たち、およびその背後の地上への通路へ向かっていく。
「待って可奈美」
再びヤマタノオロチへ挑もうとする可奈美。だが、美炎がそれを呼び止めた。
「可奈美……これを……!」
美炎が差し出したのは、彼女の象徴たる御刀加州清光。
切っ先の欠けた御刀は、いまだに残り火が残っている。
「わたしはもう戦えない……でも、加州清光だけでも……!」
「……うん」
可奈美は、美炎の御刀を掴む。
炎の写シを纏いながら、可奈美は跳びあがる。
滞空しながら、再び体を回転させる
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