第68話 白い影の調査
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来た時にあそこでお弁当を食べたの。その後にヨシュアに膝枕をしてもらって……あれからもうこんなにも立ったんだなって思っちゃったんだ」
「エステル……」
あのベンチはエステルにとって思い出の場所なんだね。そりゃあんな顔もしちゃうよね……
「エステル、その……」
「大丈夫、涙はあの時いっぱい流したから……」
わたしは何か言葉をかけようとしたが、エステルは笑顔で大丈夫だと話す。
「フィーが悲しい気持ちを受け止めてくれたからあたしはもう泣かないわ。ヨシュアを連れ戻すまで絶対ね」
「……ん、ならわたしも全力で支援するよ」
わたしは絶対に最後までエステルの味方でいようと決意を新たに固くする。ヨシュア、覚悟しておいてよね。
「さてと、それじゃ日曜学校が行われている場所を探しましょう」
「きゃはは!先生の話面白いな!」
「あれ、今の声って……」
「ん、クラムの声だと思う」
風車小屋から子供の笑い声が聞こえてきたね、よく見ると張り紙が張ってある。そこには『日曜学校、授業中』と書かれていた。
「あっ、ここだったんだ」
「どうやらまだ授業中みたいだね。でも日曜学校ってこんな感じなんだ」
「あれ、フィーは日曜学校に参加したことないの?」
「ないよ。猟兵って基本的に流れ者だからそういうのには参加してない。生きるのに必要なことは団の皆が教えてくれたから」
「へ〜、フィーにとって西風の皆が先生なんだね」
「ん、そうだね」
日曜学校には参加したことないけど大事なことは団長や皆から教わってきたからね。まあ勉強は苦手だけど……
「おっと、誰かがのぞき見しとるな。そこにいるお二人さん、授業はもう終わったから入っておいでや」
「えー!?本当!?」
「だれだれ?だれなのー?」
「やいやい!正体を表せ!」
のぞき見してるのがバレちゃったね、しかも人数も出当てられたし。というかこの声って確か……
わたしとエステルは風車小屋の中に入った。するとわたし達を見て子供たちと巡回神父が驚いた顔を見せた。
「あれ、確か君らは……」
「フィル!フィルじゃねーか!」
「わー!フィルお姉ちゃんだー!」
「エステルお姉ちゃんもいるー!」
巡回神父は前に出会ったケビンだった。彼も驚いていたけど子供たちは一斉に笑みを浮かべてわたしの元に駆け寄ってきた。
「皆、久しぶりだね。元気にしてた?」
「あったりまえだろ!お前こそ元気にしてたのかよー!」
「クラムは相変わらずだね」
わたしはクラムのやんちゃぶりに苦笑しながらも嬉しくて笑みを浮かべた。
その後わたしとエステルは子供たちが落ち着くまでもみくちゃにされるの
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