第68話 白い影の調査
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そっか、ならお兄ちゃんも名乗らないとな。俺はリィンっていうんだ。よろしくね、コリン君」
「うん!」
コリン君か、元気で素直ないい子だな。
「そろそろ私達は行きますね。ほらコリン、お兄さんたちに挨拶しなさい」
「うん!バイバイお兄ちゃん!」
彼らはそう言って行ってしまった。
「あはは、弟弟子君って小さい子に好かれやすいんだね。私なんて見向きもされなかったよ。ちっちゃくて可愛かったなぁ〜、抱っこして見たかったよ」
姉弟子はそう言って俺をからかってくる。俺は少し恥ずかしくなって顔を逸らした。
「そ、そういう事じゃないと思うんですが……でも本当に良い子でしたね」
「うん、リベールの旅行を楽しんでくれるといいね。その為二も私達で頑張らないとね」
「そうですね、俺達も頑張りましょう」
俺達は新たに決意をしてルーアンに戻るのだった。
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―――
side:フィー
リィンとアネラスと別れた後、わたしはエステルと共に孤児院に向かっていた。
「皆元気にしてるかな……」
「そういえばフィーは孤児院でお世話になっていたんだっけ?ジャンさんの話だと新しい孤児院は完成しているらしいし会うのが楽しみね」
「うん、すっごく楽しみ。早くみんなに会いたいな……」
わたしは期待を胸に込めてエステルにそう答えた。そして遂にマーシア孤児院に付いたんだけど……
「ああっ……!」
「驚いたわ、立派な孤児院に戻ってるじゃないの」
そこにはあの焼け焦げた跡地があった場所とは思えないほど立派な建物が作られていた。
「良かった……無事に孤児院を立て直せたんだね……」
「フィー……」
わたしは嬉しくなってしまいつ泣きそうになってしまった。エステルはそんなわたしを気遣って肩を叩いてくれた。
「あら、そこにいるのは……もしかしてフィーさんですか?」
「テレサ!」
わたし達に声をかけたのはこの孤児院の責任者であるテレサだった。
「テレサ!」
「ふふっ、久しぶりですね。お元気そうで何よりです」
わたしは感極まってテレサの胸の中に飛び込んでしまった。テレサはそんなわたしの頭を優しく撫でてくれた。
「ごめんね、会いに来ただけで泣いちゃって……」
「私だって嬉しくて仕方ないんです。だから気にしないでください」
わたしは顔を赤くしながらテレサから離れた。
「ふふっ、フィーったらお母さんに甘える子供みたいだったわよ」
「むっ、エステルだってわたしの胸の中で泣いたくせに」
「あら、そうなんですか?」
「い、言わないでよぉ
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