Episord of Zero
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「そこの人、少し手を貸していただけると。って」
「こいつを倒すぞ、アリシア」
近づいて来たのが俺だとわかった途端、張り詰めていた表情が少し和らいだような気がした。
「どうする?」
「一撃だけ防いで。あとは、私が叩く」
一撃、防げばいいんだな。
巨大な竜の前に立ち、構えた。
竜はその翼を大きく広げ、素早く戻す。
その攻撃は、風だった。竜の暴風が、俺に迫ってくる。
とてつもない威力だ。だが、
拳を固く握り、風を集める。
そして、掻き集めた風圧を、竜の暴風へぶつけた
「くっ..!」
多少押されたが、何とか相殺した。
「あとは任せて」
俺の横をアリシアが通り抜けていった。
「はあああああああああ!!!!!」
そして、竜の周囲は光に包まれていった。
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光が収まり、次に見えたのは、帝都から反対側へ逃げていく竜の姿だった。
とりあえず、帝都は助かったみたいだ。
「アリシア、お前のおかげで、帝都は助かったよ」
「へへ、そうかな」
さっきの戦闘で致命傷を負ったアリシアを抱きかかえて言う。
「もう、自分が弱いせいで誰かが死ぬのは嫌だったから」
「...そうか」
「無くなる前に、聞いて貰っていいかな?」
「ああ、何でも聞くよ」
「やっぱり、死んだあと何もないのは寂しいし、怖いな」
「...そうだな」
「だから、創ろうよ。死んだら幸せな場所に行けるようなものを。私、聖女だから、できると思う。私を神ってことにして、聖典を広めるの。少し恥ずかしいけどね。それで、正しい人は死んだあとで救われることにしたら、いいと思う」
「ずいぶん、人が死んだね。でも、まだ終わりじゃない。次の世代は、もっと強いかもしれない。だから、あなたがみんなをまとめてあげて。うん、軍を作ろう。一番偉い人は何て言うんだっけ?そうだ、大佐とかいいんじゃないかな。」
「わかった。必ず成し遂げて見せる」
「...私は上手くできなかったから。次に光魔法が生まれた人、きっと私よりも強くなれる。だから、その聖典に、みんなの為に戦えるような教えを書こう。もしその人が、それを少しで絵も読んでくれたなら、私は嬉しいな。うん、聖女の次は、勇者にしよう。それで、これ書いてみたんだけど...」
「?」
「第四項。穢れなき魂は、死後救済の地へと導かれる」
そこには、聖典の本文らしきものが書かれてあった。
「じゃあね。人類を
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