第七十七話 王都の地下世界
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エッタ達を探す為に、魔法のランプで巨大な空間の対岸側を照らすが広すぎて薄っすらとしか分からなかった。
デヴィットが先行して薄暗い神殿を進むと、迷宮と神殿を結ぶ出入り口から100メイルしない地点の床が無く、慌てて『レビテーション』を唱えなければ、奈落の底に真っ逆さまに落ちていたところだった。
「う、注意! 足元注意!」
「え? うわ!?」
天井ばかり見ていた他の3人は、デヴィットの警告で、進行方向の床が無いことにようやく気が付いた。
四人が立っていた場所の先に、石造りの桟橋のよう場所があり、四人は警戒しながら桟橋を進み、桟橋の切れ間から顔を出して下を覗くと『奈落』という言葉がピッタリな暗闇があった。
「そそ、底が見えない……!」
「足元に注意だ。落ちたら命が無いぞ」
「王妹殿下は?」
「……居られました。対岸側、10字の方向のやや下方に居られます」
ジャックの言うとおり、アンリエッタとルイズは、奈落へと落ちる途中に出来た窪みの中に抱き合ってしがみ付いていた。
だが、デヴィット達とアンリエッタ達との間には空洞一杯に広がる奈落の底があり、唯一の足場は風化して今にも壊れそうな石の桟橋しかなかった。
「一度迷宮に戻り、王妹殿下側の所へ迂回しますか?」
「この巨大な空洞を迂回するにはかなりの時間が掛かりそうだ。ヒューゴ、クロスボウの準備をしてくれ」
「了解っす」
「アニエスは本部に連絡、『アンリエッタ王妹殿下とルイズ・フランソーズ様を発見、これより救助活動を行う。また、地下迷宮内に巨大な人工物を発見、建造年数は不明だがかなり古く警戒を必要とする』だ。以上送れ」
「了解」
アニエスは情報を本部へ送る。
ヒューゴは、背負っていたリュックサックから、解体されたクロスボウと鋼鉄製のワイヤーロープが付いたの矢を取り出した。
クロスボウでロープ付きの矢を対岸側へ撃ち付け、ロープを伝って二人を救助する算段だった。
「取り出しといてなんですが、デヴィット分隊長が魔法で飛んで救助したほうが手っ取り早いじゃ……」
「魔法を使用している時は片腕しか使えないからな。万が一、途中で落としてしまったら取り返しのつかないことになる」
「デヴィット分隊長。救助活動でしたら私が志願します。軽業は私の専門ですから」
「分かった。アニエス頼んだぞ。そういう訳だヒューゴ急いで用意してくれ」
「了解っす」
言うやヒューゴはクロスボウを手早く組み立てると、矢を装填しアンリエッタとルイズの居る窪みの上方に放った。
矢は二つの石ブロックの間に突き刺さり、見事固定された。
「よっ」
ヒューゴは、矢がちゃんと固定されているか引っ張って
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