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水の国の王は転生者
第七十七話 王都の地下世界
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素早く飛んで来た。

「フレールお願いね!」

『クェッ!』

 使い魔はルーンで主と繋がっている為か、直接命令しなくてもフレールは空へ舞い上がり、上空から二人を探し始めた。

「空はフレールに任せて、わたし達も二人を探しましょう」

「大至急、人を集めてきます」

「お願いねミシェル」

 ミシェルが人集めに部屋を出た。
 数十分後、フレールはトリスタニア上空を一回りするとカトレアの下へ戻ってきた。

『クェックェッ!』

「どうしたのフレール?」

『クェッ!』

 フレールの思念がルーンを通してカトレアの中に入ってくる。
 フレールは精霊を使役してトリスタニア市内を隈なく探らせると、地下でルイズとアンリエッタを見つけた、と思念を送ってきた。

「え!? 二人は地下に居るの?」

『クェッ!』

「王妃殿下、『彼』はなんと仰っているのですか」

「……二人は地下に居ると言っています。大至急、マクシミリアンさまへ続報を届けて下さい」

「畏まりました!」

 使用人が、マクシミリアンの居る新宮殿まで走り出し、カトレアもその後に続いて走り出した。

 ……

 ルイズとアンリエッタが行方不明の報と、その二人が地下に居るという二つの報は、同時に新宮殿の司令室にもたらされた。

 司令室はにわかに慌しくなり参謀達が、地下に潜ったコマンド隊の各分隊にルイズとアンリエッタが地下で行方不明になった旨を伝えた。

 マクシミリアンは行方不明の第一報を聞くと、助けに行きたくて居ても立ってもいられなくなったが、家臣達の諌言で踏みとどまった。

(ああクソッ! 王様ってメンドクセェェェ〜〜〜〜!!)

 飛んででも助けに行きたいマクシミリアンは、どうする事もできず心の中で当り散らす。

「陛下、先発のコマンド各分隊への通達完了いたしました」

「うん、ご苦労」

 内心では、嵐の様な騒ぎだったが、表面上は何事も無かったかのように返した。

「陛下。魔法衛士隊が到着しました!」

「分かった。用意が出来次第、地下に入るように命令してくれ」

「御意!」

 そして、司令室中央奥の上座に座ると、何やら考え出し動かなくなった。

「そうだ。後続の魔法衛士隊に追伸。二人を無事助け出して欲しい、各員の奮闘努力に期待する事大だ……とな」

「御意!」

「陛下のご期待に必ずや添ってご覧に入れます」

 ジェミニ兄弟やグリアルモントら司令室詰めの家臣達は、マクシミリアンに跪いた。
 参謀達は直ちに増援の準備を始め、編成はグリアルモントらの工兵と魔法衛士のマンティコア隊が突入する運びとなった。






                
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