第七十七話 王都の地下世界
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……ちいねえさまぁ」
ルイズはアンリエッタにしがみ付いて、目を瞑って震えていた。
「何よルイズ。やっぱり怖いんじゃない」
「ううっ、うるさいわね! 怖いわよ! 怖くて仕方ないのよバカァ!!」
ルイズは涙をこぼして喚き散らした。
「私も悪いと思ってるわよ……」
「やっぱり来るんじゃなかったわ!」
暗闇の中、恐怖に震えながら30分程抱き合っていた。
そんな時、ルイズが暗闇の中からあるものを見つけた。
「あ」
「どうしたのルイズ?」
「何か光が見えた」
「え!?」
アンリエッタが辺りを見渡すと、通路の奥から薄っすらと光が見えた。
「誰かいるんだわ!」
「私たち助かるのね!?」
二人は疲れ切った身体を押して光の方向へ走り出した。
光はどんどん近づいてくる。
「誰か! そこに誰か居るの!?」
通路の向こうの光が希望の光に見えたアンリエッタ達は、声を張り上げて光を追った。
だが……
スカッ
「誰か……あれぇ?」
明るく広い空間に出たと思った矢先、アンリエッタ達は在る筈の地面が無いことに気が付いた。
「お、落ち……!」
「アン!」
ルイズは落ちるアンリエッタの腕にしがみ付く、が……
「きゃあああぁぁぁ〜〜〜!」
「また落ちるのぉぉ〜〜〜!?」
ルイズの細腕ではアンリエッタを支えられず、二人諸共巻き込まれて落ちていった。
☆ ☆ ☆
一方、王宮ではアンリエッタとルイズが行方不明になった事で騒然となっていた。
用事を終えた戻ってきたカトレアは、二人の行方不明を聞き家臣達を集めて情報を集めていた。
「誰も二人を見た方は居ないのですか?」
「申し訳ございません」
「数人掛かりで二人を見張ってたのですが、いつの間にか見失ってしまい……」
カトレアは使用人たちに二人の安否を聞いたが良い返事は得られない。
「ああ、なんていう事でしょう……」
「王妃殿下、ここは陛下に、ご報告をすべきかと思われます」
「そうですね、お願いします」
カトレアは頭を下げると、家臣は恐縮しながら報告の為に部屋を出た。
「ルイズ、アンリエッタ……どうか無事でいて」
カトレアは祈るように退出する家臣を見送ると、スカートの裾を持ち上げ窓際に走った。」
「王妃殿下どちらへ行かれるのです?」
「フレールに頼んで空から探してもらいます」
カトレアが窓際までやって来ると、サンダーバードのフレールが忠臣の如く、
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