魔王、始動。
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い。
確認できたのは炎、風、氷だ。
このままだと人類が巻き返してくるかもしれない。
そうなると、魔族は全て無事では済まないだろう。
よし、本格的に魔法を究めよう。
何もせずに終わるのは嫌だし。
まずは集中。そして、想像力を極限まで研ぎ澄まして...
おお。前よりは良くなった。試しにやってみたけど、悪くないかもしれない。
このまま成長させていこう。
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あれから長い年月が経って、魔法は相当なものに仕上がった。
これでだいぶ戦えるはずだ。
人類はあの黒い騎士を倒しただけだ。まだ大丈夫。
そう思って、窓の外を眺めると、渓谷の様子がおかしかった。
魔法が派手に展開され、そこにいたはずの上位個体は消滅し、居住地へと引き返していく人の群れが見える。
え?あいつ負けたのか?
騎士とは違って渓谷の大蛇は上位個体の中でもかなり強い。
これはまずいな。
ここは直々に出向いて、戦っているところを奇襲してやろうか。
でも、安易に他の上位個体の生息地には近寄れないしなぁ。
あっ、そうだ。
「なあ、ちょっといいか?」
地面に寝転がり、挿絵付きの本を上へ持ち上げて読んでいたのを呼びつける。
「なんですか!!??」
跳び起き、私の目の前にしゃがんで言う。
こいつは私と同じように彷徨っていた上位個体で、前に拾った。
外見は人間の少女のようだが、色々と人間とは異なる。
そして、名を与えて、魔法や言葉を教えていった。
「メルシゲェテ、次の人類の戦いで、人類をできるだけ始末してきてくれないか?」
こいつは比較的生まれて新しいから、他の上位個体の生息地にも入っていけるだろう。
「はい!!!行ってきます!!!!」
「いや、まだ戦ってないから...」
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【勇者視点】
ールガーデ殲滅戦 帰路ー
三人始末できれば上出来か。
危うく渓谷ごと破壊されそうになったところを生き延びた人類軍は、ただ安堵の表情で、帝都へと帰還していく。
あとは四天王が二体と、魔王か。
特に魔王には頑張ってもらいたいな。
この前とは違って、僕は安易にお前を殺しはしない。
せいぜい僕に貢献してくれよ。
This is a past story............
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