勇者の休息
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。
前回の最盛期よりも肉体が弱く、上手くイメージ通りの技が使えない。
そんなまどろっこしさを抱えながら素振りを続けていたとき、
「こんなとこで何やってんだ?」
部屋の入り口のあたりから声が聞こえた。
誰かと思い振り向けば、そこにいたのはローゼマリー中佐だった。
(どうしてここに...?まさか僕の画策がバレたのか?まずいな、警戒しないと。)
「何って、もちろん特訓さ。人類のために強くなりたいんだよ。」
「へえ、そいつは立派だな。ま、適当に頑張れよ。」
(一応僕の計画には気づいていない?なら、少し探ってみるか。)
「そっちこそ、どうしてこんなところに?」
「そりゃあ、お前を探してたからだよ。」
(どうして僕を探す必要なんてあるんだ?これは良くない事態かもしれない。慎重にいこう。)
「いや、一体なんで僕を探すんだよ。」
「だってお前、面白そうだし。そう、私は君に興味があるんだよ!」
と、僅かに微笑んで言った。
「...そうか。まぁ、見ての通り僕は忙しいんだ。用がないなら立ち去ってくれないか?」
「別に用がないってわけじゃないさ。一言労いをしに来てやったんだよ。お前、こんなところにいるんだし、誰とも会ってないんだろ?」
余計なお世話だな。誰かに同情される謂れはない。
「...別に大したことはしてないよ。」
「じゃ、私はこれで。また会おうぜ。」
そう言って中佐は立ち去ろうとした。
(どうやら疑われてはいないらしいな。なら問題はない。)
「あ、そうそう」
中佐が立ち止まって振り返り、
「期待してるぜ、勇者君」
と、最後に一つ、言い残して去って行った。
悪いな、誰かの期待に応えてやるつもりはないんだよ。
次の大戦まであまり日は残されていない。手を休めるわけにはいかないな。
そうして僕はまた剣を握り直した。
This is a short rest...
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