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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてアイドル対決は、阻まれる(中編)
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ら生えた謎の黒い鞭。
おそらくアレで直前に弾いたのだろう。
なら、

「こいつで!!」

一気に殲滅する。
ボクは幻想郷の住人を呼び出せるが、憑依させることも出来る。
手のひらを突き出し、そこにエネルギーを溜める。
今憑依させたのは核融合を操る程度の能力を持つ地底の八咫烏、霊烏路空の力。
そう。
未来のエネルギーでこいつを完全に吹き飛ばす。

「爆符『ギガフレア』ァァッ!!!」

超極太の巨大ビームが放たれ、瞬時に彼女を飲み込む。
これをくらって生きていられる生身の人間など、この世には存在しない。
サーヴァントや、妖怪でもない限り。

そうして多少オーバーキルであろうビームの照射を終え、そこには彼女がいた痕跡など…

「あっついなぁ…。」
「な…っ!?」

あった。
それよりも、生きていた。

「あれは…なんだ?」

彼女は黒い何かに包まれていた。
あれは…人?
人を模した影のような巨大な何かが、複数おり、それらが彼女を包むように、円陣を組むような形になって守っていたのだ。

「じゃあ、今度はこっちの番ね。」

そう言うと真誉は足先でトンと地面を叩く。
そこから出来上がったのは黒い沼。
影で出来たそこの見えない恐ろしい沼だ。

「急急如律令…。」

ボクのものとは違う、代わった形の御札を黒い沼目掛け投げる。
そうすると何かの手が沼のふちを掴み、這い出てきた。

「ちぇるのぼぐ!!」

槍を携え、首に蛇が巻かれた金剛力士像のような何か。
真っ黒なそいつはあたかも邪神のように見えたし、そもそもチェルノボーグという悪神の名を冠しているのなら尚更だ。

「巫女さん。あなたの相手はこっちだよ。」

彼女がそう言うと、チェルノボーグが襲いかかって来た。

「ぐぅっ…!!」

槍の一撃をお祓い棒で受け止めるも、その一撃はあまりにも重すぎる。

神様と戦う、もとい弾幕ごっこには興じたことはあるけど、悪神と殺し合いをするのは初めてだ。
それに、

「あなたは私が相手してあげるね。葵ちゃん。」
「…!!」

彼女が、葵ちゃんが心配だ。






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