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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてアイドル対決は、阻まれる(中編)
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そんなマイナスの感情が合わさってできた、全てを呪い殺せそうなものを。

それは廃ビルの上にいた。
先日会ったあの子だった。
彼女がこの生きた屍を操っていたんだ。

「動くな!!」

葵ちゃんと着地し、お祓い棒をかまえる。
ボクの声に応じ、ダンスの最中だった彼女はぴたりと止まった。

そして

「あ、来たんだぁ。」

ゆっくりと振り向き、こちらに笑顔を向ける。

「葵ちゃん久し振り〜。」
「森川…真誉。」
「そうそう。ちゃんと覚えててくれたんだね。」

緊迫した空気の中、彼女だけが能天気に話している。
しかし油断ならない。
いったい彼女がどんな力を秘めているのか全くの未知数だからだ。

「この生きた屍。アンタが操ってるの?」
「あ、こいつらのこと?」

疑いが捨てられないのか、葵ちゃんは恐る恐る尋ねる。
彼女は笑ったままの表情で、さも当然のように答えてみせた。

「そうだよ。集めるの大変だったんだ〜。」
「…!!」
「ほら見てよ。100は超えてるよ。2週間くらい前からせっせこせっせこ集めたの。みーんな私を襲おうとした悪い子だったけど、今ではもう私の言うことを聞くいい子になったの!すごいでしょ?」
「なんで…そんなことを…!?」

つまり、ここにいる生きた屍は皆彼女に殺され、無理矢理操られているということだ。
先日会った際、陰陽師を自称していたがこれでは死霊使い、ネクロマンサーだ。

「なんでって、そうした方が楽しいしこの世界を滅茶苦茶にする為だよ。」
「…は?」

ニッコリ笑う彼女だが、口にした言葉はボク達の理解を超えるものだった。
楽しいから?世界を滅茶苦茶にする?
この子は、常軌を逸した異常者。サイコパスだ!

「もういい。喋るな。」

この子にこれ以上話を聞くのは無駄だ。
こんなものを放っておいたら、それこそ彼女は本当にこの世界をめちゃくちゃにする程の異変を起こす。
そんなものは、放っておけない。

「今すぐにあのゾンビ達を退かせるのなら、ボクはキミを殺さない。ただ痛い目には遭ってもらう。」
「えーやだよ。退かせない。」
「…ッ!」

指を口元に当て、考えてもいないのに考えたような素振りをして即答する彼女。
でも助かる。
そうするってことは、遠慮なく始末していいってことなんだから。

「はぁッ!!」

懐から御札を取り出し、投げる。
博麗製のとびっきりの御札は獲物を完全追尾し、そして着弾。
立て続けに御札は森川真誉に襲いかかり、爆風が彼女を飲み込む。

「やったの…?」
「いやまだだ!!」

その直後、ひゅんひゅんという空気をさくような音がして爆風と煙がはらわれる。
そこにいたのは無傷の真誉。
周囲にあるのは地面か
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