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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてアイドル対決は、阻まれる(中編)
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ってはいないけど呪わせてしまった自分に少し腹が立った。
しかし自分を責めたとしても今こうしている間に香子の身体は蝕まれているというわけになる。
だとしたらいち早くその犯人を見つけ、叩かねば。
しかし、サーヴァントであり陰陽術もある程度心得ている香子に呪いをかける者となると、相手は相当なやり手かもしれない。
それこそ、あたし一人で行けば返り討ちになるくらいの…。
「心配そうな顔ね。安心なさい葵。ソフィーが同行してくれるから。」
「ソフィーが?」
そう話していると噂をすればなんとやら、
たん、とあたし達の傍にソフィーが着地した。
「おかえりソフィー。」
「ただいまへカーティア。奴らを倒しに行こうとしたんだけど…だめだ。こいつら何人も湧いてくる。」
「そう。だから大元を葵と倒しに行って頂戴。」
ソフィーもまた返り血にまみれており、どうやら知らないところで屍の行く手を阻んでいてくれた様子だ。
そうして彼女はへカPからあたしと一緒に犯人を倒しに行くことを伝えられたが、彼女は迷うことなく頷いた。
「それなら安心でしょう?紫式部。」
「はい…ですがお気をつけ下さい。相手の力は未知数。少なくとも、これだけの屍を操れるのですからサーヴァントの可能性もあります。」
「大丈夫。ボク、サーヴァントは何回か倒したことあるから。それに葵ちゃんもいれば全然平気だよ。」
胸を張ってそう答えるソフィー。
ならば、
「よし、行こう。」
そうと決まれば行くしかない。
香子の身体も、ここもいつまでもつか分からない。
折角皆が楽しんでいるこの場所に、生きた屍を放り込んだやつの顔をぶん殴りに行こう。
「ステージとお客さんはこっちに任せなさいな。あっちの2人もうまくやれてるみたいだしね。」
「あっち…?」
と、ステージの方に目をやるとそこにはいつの間にかエリザベートと麻美の2人が立っていた。
「ゾンビ?それが何よ!たかがそれくらいでアタシ達のライブを止められると思って?冗談じゃないわ!!そんなもので諦める程、アイドルって生易しくはないのよ!!」
「「「いえーーーーーーー!!!!!!」」」
いつの間にか始まっている彼女達のライブ。
しかし、ゾンビは相変わらず殺到している。
このままでは観客がやられる、そう思ったが
「ごめんなさいね、参加無料だけどあなたはお呼びでないの。」
背中からはドラゴンの翼を生やし、観客達を飛び越え迫る屍の目の前に着地する。
しっぽで薙ぎ払うわソニックブレスで一網打尽にする屍達はエリザベートの前で次々と木っ端微塵になって消えた。
戦うことをライブの中に組み込んでエンターテインメントに昇華する。
長年アイドルをやってきて彼女だからこそ出来る技術。
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