第1話 人生の始まりは幼児プレイ
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とはないと思います。
はぁ〜、鬱になります。
しかし、私には神様から与えられたチート能力があります。
これで幸せな第二の人生を謳歌してやります。
「ふふ、どうしたのかしら、 ボーーーとしちゃって」
気づいたら母が笑顔で私の顔を覗き込んでいます。
「おおっ、大事なことを忘れておるのはないか、蔵人よ」
「父上、何をですか?」
「父上、弟の名前が決まっておりませんよ」
「弟はがっかりしているのでしょう。自分の名前をつけてくれない父上に落胆したのではないですか?そうなのであろう弟よ」
姉は茶目っ気たっぷりの顔で、私に語りかけてきた。
「何っーーー!そうなのか我が息子よーーー!」
「名前なら既に決まっておるぞ、かわいい息子の名前を考えていないはずがなかろうーーー!」
テンション高めの父がおもむろに懐から二つ折りにした紙を取り出し、私たちに向けて紙を開いて見せた。
「名はヨウ、字は正礼、真名は正宗」
父はその紙に書かれている内容を意気揚々と読み上げました。
「我が息子よ、気に入ってくれたか?」
真名が正宗って、ここ中国だよね?
考えたら負けだ・・・
「気に入っておらぬようじゃな」
「そうですねぇ、お義父様。でも、何かに驚いているみたい。もしかして文字が判るのかしら?」
私を覗き込む2人。
鋭いなこの人達・・・。
「な・・・なんだとっ!節も父上も酷いぞ。そのようなことはないよな、我が息子」
雷に打たれたようにショックを受けた父は、直ぐさま立ち直り私に笑顔を近づけてきました。
面倒くさいと思った私は、笑うことにしました。
「キャッ、キャッ!あぶ、あぶぅ」
29歳の精神にとって、幼児プレイは苦痛です。
こうして私の新たな人生の第1日目は過ぎました。
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