第一章
[2]次話
立場逆転
朽木淳一はいつもクラスメイトの佐久間あすかにいじめられていた。
「や〜〜いチビチビ」
「背のことは仕方ないだろ」
「男の子より私よりチビじゃない」
あすかは実際に自分より背が低い淳一にいつもこう言っていた。
「クラスで一番低いじゃない」
「それがどうしたっていうんだよ」
「チビじゃない」
兎に角こう言うのだった。
「だからこう言うのよ、言われるの嫌だったら大きくなりなさい」
「大きくなればいいんだな」
「悔しかったらね、そうなってみせなさい」
「見てろよ」
小一の頃の淳一はあすかにいつもそう言われてベソをかいてこう言っていた、二人共まだ子供でありあどけない顔であった。
やがてあすかは両親の仕事の関係でタイに行って淳一は自分をいじめている相手がいなくなってほっとした、そして。
淳一は大学を卒業して就職した、すると。
「タイからですか」
「うちの会社の岡崎の工場をね」
「視察したいとですか」
「言ってきていてね」
上司は淳一に話した。
「それでだよ」
「私もですか」
「案内役にね」
それにというのだ。
「参加して欲しいんだ」
「そうですか」
「あちらのスタッフには通訳の人もいるしね」
上司は淳一にこのことも話した。
「日本語に堪能な人も多いから」
「案内はしやすいですか」
「君は専門的なことをね」
それをというのだ。
「話してくれるかな」
「わかりました」
淳一は上司の言葉に頷いた、そうしてだった。
タイから視察の一行が来ると工場で出迎えた、そこでお互いにだった。
自己紹介をしたがその中で。
「佐久間あすかです」
「朽木淳一です」
「えっ!?」
「まさか」
黒髪を清潔な感じで整えた一四二位の背の切れ長の大きなきらきらとした目で奇麗な形の小さな唇で卵型の顔のスーツの女性も一九〇近くあるがっしりした体格の黒髪の四角い顔に小さな目の大男もだった。
お互いに驚きの声を出してお互いを見て言い合った。
「あの、まさか」
「あの時の」
「え、ええと」
「これは」
「プライベートの話は今は駄目だよ」
淳一の上司がここで止めた。
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