祭祀礼装・禊
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を付けたまま走り出す。彼女の走った跡には炎が走り、そのまま加速していく。
同時に、ヤマタノオロチの光線が、ピンポイントで可奈美と美炎を狙う。
可奈美たちはそれぞれ急旋回、空中で美炎と合流。
ともに御刀を振り抜いた。
「太阿之剣!」
「神居!」
新たな姿で放たれる、二人の主力技。
だが、それよりもヤマタノオロチの技の出が速い。八つの光線は、真紅と炎の斬と相殺し合い、ともに消滅した。
それはつまり、空中の可奈美と美炎は無防備になったことを意味する。
「しまっ……」
さらに、ヤマタノオロチの四つの顔が迫る。それぞれの属性のエネルギーを溜め、今にも二人の刀使を食らいつくそうとする。
だが。
「邪魔だ」
「え!?」
「ソロ!?」
その二人を突き飛ばしたのは、ブライ。
瓦礫から脱出したムーの戦士が、可奈美たちに代わり、ヤマタノオロチの渦中へ割り込んだのだ。
「何でっ!?」
だがブライはそれに答えない。ただひたすら、ラプラスソードを振り上げていた。
「ブライブレイク!」
紫の刃が、ヤマタノオロチの攻撃を掻き消し、本体にダメージを与える。四つのヤマタノオロチの顔から跳ね返った衝撃波が、可奈美と美炎をヤマタノオロチの攻撃の範囲から外に飛ばす。
「ソロ!」
だが、すでに彼の運命は決している。
残り四本の首が、ブライの小さな体に迫る。
火、水、雷、風。四つの攻撃が、そのままブライの体を飲み込み、マグマの中に突き落としていく。
四つの属性とマグマ。その二つによって巻き起こる爆発が、地下の世界を揺るがした。
やがてブライが沈んだ箇所は、固められた火成岩がブライの姿を溶岩の底に閉じ込めていた。
「ソロ……!」
「! 可奈美! また来るよ!」
美炎の言葉に、可奈美は我に返る。
再び襲い掛かるヤマタノオロチ。可奈美は足を合わせ、もう一度ジャンプした。飛翔による移動。ヤマタノオロチの首は、可奈美を食らいつくさんと追いかけてくる。
ヤマタノオロチの、八つの攻撃。だが今、可奈美はその奔流、全ての軌道が目に見えた。
両足を合わせてのジャンプ。さらに、滑空による高軌道でヤマタノオロチの懐に入り込んでいく。
さらにそこから続くのは、斬撃を主体とするこれまでの可奈美とは、全く異なる剣術。
「はあっ!」
それは、突き。
本来の可奈美以上の速度を放つ突き技は、次々に迫るヤマタノオロチの顔一つ一つを弾き飛ばす。
可奈美はさらに、八本の首を掻い潜り一気に肉薄。
「今だっ!」
千鳥からの突き技。それは、八体のヤマタノオロチの首一つ一つを弾く。
そして。
完全に、ヤマタノオロチの肉体への道が開いた。
突き
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