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Fate/WizarDragonknight
祭祀礼装・禊
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ノオロチの攻撃から逃げる場所がなくなった。

「可奈美ちゃん!」

 ハルトの叫び声が聞こえる。
 ヤマタノオロチの水と雷と風。雷雨となったそれを避ける手段を、上空への一時退避に見出した。
 そして。

「私……飛んでる!?」

 祭祀礼装の能力。その鱗片は、飛行能力。
 重力の制御より解き放たれた可奈美は、音もなく滞空していた。
 そのまま、迫る八本の首。
 可奈美は移動を脳で指示する。すると、祭祀礼装の体はその通りに滑空していった。

「すごい……! 本当に飛べるんだ……!」

 刀使の能力を超えたそれに、可奈美は歓喜の声を上げた。ヤマタノオロチの頭上を越え、そのまま回転と同時に斬りつける。
 悲鳴を上げたヤマタノオロチは、上空の可奈美を第一の敵と認識した。
 だが、ヤマタノオロチへ牙を向くのは可奈美だけではない。
 大荒魂の力を持った美炎もまた、小さくないダメージを与えていく。炎を纏ってのそれに、八つの蛇の頭は怒りを露わにしていった。
 ヤマタノオロチは、その八つの口の主砲を地面に向ける。地下の空間を八つのエネルギーが満たしていく。

「やばっ!」
「美炎ちゃん! こっちに!」

 可奈美は、美炎へ手を伸ばしながら叫ぶ。
 早急にその理由を察した美炎は頷き、跳びあがる。
 美炎の手を掴んだ可奈美は、それと同時に急上昇。同時に、八つの属性が、津波のように地下の足場を八色に染めていった。

「すごい威力……」
「あんなの受けたら、まともに立っていられないよ……」

 可奈美と美炎は、それぞれヤマタノオロチの威力に唖然とする。
 同時に可奈美は、戦闘不能となっているハルトの姿を探す。
 だが探すまでもなく、可奈美の眼はすでにハルトを視界に入れていた。
 まだ魔力が残る彼は、防御の魔法を幾重にも張ってこの場を凌いでいる。

「ハルトさん!」

 だが、彼の姿は八色の波の中に飲まれていった。姿が見えない中、彼の声が聞こえてくる。

「大丈夫! 何とかなってるから! だから可奈美ちゃん、頑張って!」
「う、うん!」

 頷いた可奈美は、ヤマタノオロチへ向き直る。
 可奈美たちが攻撃を回避したことを認識したヤマタノオロチは、そちらへ攻撃を開始した。八つの頭それぞれが別々のタイミングで攻撃を放ってくる。

「可奈美!」
「分かってる!」

 可奈美の上空浮遊能力。その速度は、この状態の迅位と大差ない。
 破壊されていく地下の音を聞きながらも、可奈美は滑空を続ける。やがて側面に近づき、美炎は可奈美の手を掴みながら、美炎が側面に足を付きかけていく。

「可奈美! いいよ、下ろして!」
「う、うんっ!」

 可奈美は壁に接近し、美炎の手を放す。
 美炎は壁に足
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