進化と停滞
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「どうされました?ウィバリー様」
まだ復興が済んでいない街は夜になると明かりが少なくとても暗く感じる。そんな外の景色をじっと見つめている青年に銀髪の男が話しかける。
「来てるな、あいつが」
「どっちですか?」
「どっちだと思う?」
質問に質問で返され面を食らう男だったが、彼のその口ぶりからおおよその予想がついた。そしてそれと同時に疑問が沸き上がる。
「一人で来てるってことですか?」
日中にあれだけの力の差を見せつけられたにも関わらず性懲りもなく……それも一人で攻めてきたのかと呆れていたが、青年は首を横に振ると外を見るようにと指をさす。
「二人だな。全く、余計な手間ばかり増える」
彼の指さす方向を見るとそこには微かにではあるが、金髪の青年と水ガミガミの少年の姿が見える。
「あれ?あの小さい方が例の奴ですよね?」
話にしか聞いていないが特徴が類似している人物がいることで確認の問いをする。すると青年は首を横に振り、口を開く。
「あれは変身系の魔法を使える奴だな。ほら、さっき話をした」
「へぇ、あれじゃあ見分けがつかないですね」
姿形はもちろんだが、魔力の感じも似ているため一度対峙していないとわかり得ないほどのグラシアンのイルズィオーン。だが当然それは完璧ではないため、一度対峙し相手のデータを有している青年は簡単に見分けることができた。
「ということは別動隊というわけですか?」
二人の後ろから現れたのは黒髪を七三に分けたメガネをかけた人物。その懐には分厚い本が抱えられており、いかにも知性に突出した存在のように見えた。
「いや・・・他のものたちはアジトから動いた様子がない。となるとこれは独断での行動か?」
それを聞いて銀髪の男と黒髪の男は顔を見合せタメ息をつく。それはいかにも呆れてものも言えないといったような反応だった。
「いくらこの世界の住民たちを一掃したからといって、たった二人で挑んでくるとは」
「無理もないですよ、さっきまで俺たちはいなかったわけですからね」
向こうにあるのは先ほどまで戦っていたウィバリーの情報のみ。それ以外の人員は爆弾魔水晶にて一掃しているため、力に自信がある人間がいればそれが奇襲を仕掛けてきても不思議ではない。
「どうしますか?ウィバリー様」
「あえて城の中に入れてやろう。気付かなかった振りをしてな」
それを聞いて二人の男は笑みを浮かべた。その様子を見てウィバリーは意図を理解してくれたのだと頬を緩ませる。
「あの二人を捉えて幽閉しておけ。そうすれば必ずシリルは姿を現す。ただし殺すなよ、余計な損傷も与えるな、交渉が決裂する可能性があるからな」
「「御意」」
指示を受けたことでその場から姿を消す二
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