第六十八話 入学式その十八
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「お婿さんがね」
「会長さんですね」
「そうなってもらうわ」
「そうですよね」
「もっともね」
私はさらに言いました。
「このことは代々なのよね」
「先輩の教会では、ですね」
「これもいんねんって聞いたわ」
養子取りのいんねんというそうです、いんねんと言っても本当に色々ないんねんがあります。私のお家にもあるのです。
「女の子しか生まれないことも」
「そうなんですね」
「親戚もそうだしね」
「ああ、先輩の教会がある街の駅前の」
「そう、喫茶店のね」
「あちらの娘さん達もですね」
「これが三人共ね」
従姉妹の方もです。
「女の子なのよ」
「先輩のお家そのままですね」
「背も顔もそっくりだし」
一番上の人は私そっくりです。
「遺伝も感じるわ」
「いんねんとですね」
「本当にね」
「そうしたいんねんもあるんですね」
「悪いいんねんかっていうと」
それはです。
「私はそうは思わないけれど」
「そうしたいんねんってことですね」
「そうなの」
「いや、いんねんって言っても色々ですね」
「そもそも白いんねんと悪いんねんがあるでしょ」
私は新一君にいんねんについてさらにお話しました。
「そうでしょ」
「そうですね、いいいんねんと悪いいんねんがありますね」
「これはどっちかっていうと白いんねんかしらね」
「悪くはないですね」
「私が思うにね」
「女の人ばかりでも悪くないですね」
「だからね」
それで、です。
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