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イベリス
第四十一話 〆切を意識してその十二

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「酷くなっています」
「今の予想以上に」
「はい」 
 まさにというのだ。
「ですから無視して下さい」
「そうします」
 咲はその元クラスメイトは嫌いだったのでそうするつもりだった、そうした話をしてアルバイトが終わると店を出たが。
 渋谷駅の前で見た、それから速水にスマートフォンで連絡をした。
「見ました」
「そうですか」
「はい、酷かったです」
「どんな風でしたか」
「変なパーマをかけて」
 速水に見たままのことを話した。
「それで濁り切ったうえで睨んでるみたいな目で」
「そうでしたか」
「しかも服装も」
 それもだった。
「制服でしたが」
「不良みたいなですね」
「そうでした、元々そんな気がありましたが」
「それでもですね」
「遥かに悪くなっていました」
「中学の時と比べてですね」
「本当にチンピラでした」
 まさにそれであった。
「酷かったです」
「話し掛けませんでしたね」
「無視しました」
 このこともそのまま話した。
「私の方を見ましたが」
「それで相手は気付きましたね」
「私の方を見ていました」
「それでもですね」
「無視して通り過ぎました」
「その方がいいです、高校はわかりませんね」
「結構普通のレベルの高校ですが」
 その元クラスメイトが進学したそこのことも話した。
「もう身なりが」
「完全にですね」
「チンピラでした」
「制服を着てもですね」
「着こなしが」
 もうそれがであったのだ。
「チンピラのもので」
「それで、ですね」
「歩き方もでした」
「不良ではないですね」
「チンピラでした」
 そうだったことも話した。
「本当にです」
「酷かったですね」
「碌な人間にならないと思っていました」
 その性格と行いがあまりにも悪いからだ。
「ですが」
「実際にですね」
「もうです」
「禄な人になっていなかったのですね」
「そうでした、多分ですけれど」
 ここからは自分の予想を話した。
「高校でも相当に嫌われていて」
「行いも悪いですね」
「そうだと思います、ちょっと同じ高校に通っている娘に聞いてみます」
「そうしてですね」
「実際にどうか聞いてみます」
「間違いなく碌な人間ではないですね」
「お話を聞いてわかりますか」
 咲は速水に問うた。
「こうして」
「おおよそ。仕事柄」
 占い師だからだとだ、速水は答えた。
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