第四十一話 〆切を意識してその十
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「描いていって」
「完成させることですね」
「そうして下さい」
まさにというのだ。
「ここは」
「はい、星のカードの様に」
「これは非常にいいです」
速水はそのカードを見つつ微笑んで述べた。
「きっとです」
「いい作品が描けますか」
「そうなります、あとです」
「あと?」
「どうも小山さんはここを出て思わぬ再会がありますが」
「再会ですか」
「いい再会ではないですね」
速水はまたカードを出した、そのカードは悪魔の正だった。彼はそのカードを見て咲に対して話した。
「これは」
「悪魔ですか」
「小山さんの知り合いに一人性格に問題がある人はいませんでしたか」
速水は咲を見て問うた。
「親戚かかつてのクラスメイトに」
「親戚は特に。ですが」
咲は自分の知り合いを頭の中で思い出しつつ答えた。
「中学二年の時の男子生徒で」
「いましたか」
「物凄く性格が悪いのが」
彼のことを思い出しつつ話した。
「相手が強いと媚びて弱いといじめ抜いて」
「そうした人でしたか」
「ずる賢くて陰湿でケチで底意地の悪い」
「それでは嫌われていましたね」
「滅茶苦茶嫌われていました」
事実そうだったというのだ。
「仲の悪い相手のことを何かと陰口言ったり喧嘩っ早い子に吹き込んだり」
「自分は傷付かずにですか」
「そうしていました」
「おそらくその人にです」
「再会しますか」
「ですが間違ってもです」
咲に忠告する様に話した。
「その人と目が合っても」
「話し掛けないことですか」
「関わってはいけません」
決してというのだ。
「悪魔の正はこの場合は」
「まさにそのカードの通りですか」
「その人は元々かなり性格が悪かった様ですが」
「今はもっとですか」
「まさに悪魔の様にです」
そこまでというのだ。
「悪くなっていてです」
「関わるだけで、ですか」
「よくないです、以前麻薬の密売人のお話をしましたね」
「店長さんと初対面の時ですね」
「あの時私は小山さんに気を付ける様にお話しましたが」
「今回もですか」
「気をつけて下さい、相手が話し掛けてきても」
それでもというのだ。
「相手にしてはいけません」
「無視することですか」
「悪魔といっても色々です、只の神のアンチテーゼの場合もあります」
キリスト教の悪魔の多くが実はそうだ、悪魔と言っても何が悪かというと神に対しているからとなるのだ。
「これは悪魔が神に勝てば」
「悪魔が神になって」
「正義になります、事実悪魔は多くが元は神です」
「あっ、古代のですね」
咲はゲームやライトノベルそれに漫画から得た知識から答えた。
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