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イベリス
第四十一話 〆切を意識してその九

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「永井豪先生は」
「あんまりにもですか」
「無茶苦茶過ぎて」
 それでというのだ。
「すっきりしません」
「何これですね」
「そう思ってしまいます」
 どうしてもというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「終わらせ方もです」
「大事なんですね」
「終わらせることは絶対でも」
 それでもというのだ。
「そこも考えてくれるとです」
「いいですか」
「尚永井豪先生はご自身の作品には絶対の自信があるそうで」
「面白いことは面白いですね」
「その終わらせ方でも」
 読者が納得出来ない様なものでもというのだ。
「終わらせることは最善です」
「じゃあ最悪は終わらせないことですね」
「まさに。作者の方がお亡くなりになっては残念ですが」
「それでもですね」
「終わらせることは最善です」
「それが一番いいんですね」
「永井豪先生の場合でも。尚この人は漫画以外で作品を終らせたりしています」
 この場合もあるというのだ。
「小説やゲームでもです」
「終わっていますか」
「これならいいかと。兎角です」
「終わらせることですね」
「占いも最後の結論まで占ってこそです」
「占いですか」
「そこまでしないなら」
 さもないと、というのだ。
「占ったことにはなりません」
「そのことと同じですね」
「終わらせることは」
「未完のままじゃ駄目ですね」
「私はそう思います」
「終わらせることがどれだけ大事か」
「このことは何度も申し上げます、そして小山さんは」
 速水はさっと一枚のタロットカードを出した、そのカードは。
 星だった、彼はそのカードを見て微笑んで話した。
「これはいいことです」
「完結させられますか」
「満足いく結果で」
「そうですか、じゃあ頑張って描きます」  
 咲は速水の言葉に顔を明るくさせて答えた。
「そうしていきます」
「その様にされて下さい」
「是非」
「いいカードはそのまま進み」
 占いの示すものに従ってというのだ。
「悪いカードはそうならない様にです」
「注意することですね」
「占いは道標なので」
「悪い結果が出てもですね」
「恐れずにです」
「前に進むことですね」
「はい、悪いカードが出ればそうならない様にすることです」
 その様にせよというのだ。
「まさに」
「そうした道標ですね」
「そうなのです」
「そうですか、じゃあここは」
「星に従って」
 見れば正だった、その様にというのだ。
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