第四百二十六話
[8]前話 [2]次話
第四百二十六話 柚子湯
カーミラは食後の散策に出てから歌舞伎の映像と日本の雅楽を楽しんだ、それが終わってからであった。
柚子湯に入った、その中で彼女は言った。
「これはまたね」
「いいですか」
「お気に召されましたか」
「左様ですか」
「凄くね」
実際にというのだ。
「いいものよ」
「それは何よりです」
「そう言って頂き私共も恐悦至極です」
「全く以て」
「お礼を言わせてもらうわ」
その柚子湯の中で言った。
「この度は」
「まことに光栄の極み」
「ではゆうるりとお楽しみ下さい」
「そうされて下さい」
「そうさせてもらうわ」
こう答えてだった。
カーミラは湯を楽しんでだった。
水風呂に入り身体を冷やしてからまた入った、それを数回繰り返し。
風呂から上がった時にだ、身体を拭く使い魔達に言った。
「服は浴衣がいいわね」
「日本のですか」
「あの着物ですか」
「一着ありますが」
「あれを着られますか」
「面白そうだから買ったけれど」
それでもというのだ。
「ずっと着ていなかったわね」
「そうでしたね」
「しかしこの度ですね」
「着られますね」
「そうするわ、ただね」
カーミラはこうも言った。
「下着は着けるわ」
「そうされますか」
「下着は着けられますか」
「着物の時は下着は着けないとのことですが」
「そうされますか」
「下着は着けないと」
カーミラとしてはというのだ。
「しっくりこないわ、だからね」
「わかりました、ではです」
「下着を着けさせて頂きます」
「そして浴衣も持って来ます」
「お願いするわ」
こう使い魔達に言ってだった。
カーミラは浴衣を着た、そのうえでまた一時の散策に出た。それはディナーの前の運動であった。
第四百二十六話 完
2021・12・3
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ