第六幕その一
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第六幕 大阪の中でも
先生はまた大阪に来ました、そして今は高津神社にいますが。
その神社の境内で先生は皆に言いました。
「この神社もなんだ」
「織田作さん由縁の場所だね」
「ここにも織田作さんが来て」
「作品にも出ているんだ」
「そうした場所ね」
「そうだよ、織田作さんはここにも来ていたんだ」
この高津神社にもというのです。
「そして作品にもだよ」
「出ているんだね」
「何かそう言われるとね」
「織田作さんの登場人物がいて」
「それで動いていそうだね」
「この辺りのことも書いているよ」
当時のというのです。
「湯豆腐のこととか書いていて周りに薬屋さんが多いとかもね」
「へえ、そんなことまでなんだ」
「織田作さん書いているんだ」
「作品に」
「そうなんだ、当時の大阪の状況も」
これもというのです。
「わかるんだ」
「そうなのね」
「当時の大阪がどんな街か」
「そしてどんな人がいるか」
「そんなこともだね」
「書いているんだ」
織田作さんはというのです。
「それで湯豆腐のことを話したけれど」
「うん、今からだね」
「湯豆腐を食べるんだね」
「そうするのね」
「そうしよう、湯豆腐のことをお話したからね」
こう言ってでした。
先生は実際に皆を湯豆腐屋さんにも案内しました、そしてそこで湯豆腐を食べるのですがここで、でした。
先生は湯豆腐を食べつつ笑顔で言いました。
「美味しいね、湯豆腐も」
「そうだよね」
「あっさりしていてね」
「それで食べやすくて」
「本当に美味しいわ」
「そうだね、冷奴もいいけれど」
それと共にというのです。
「湯豆腐もいいね」
「湯豆腐っていうと京都だけれど」
「京都はお豆腐が有名だから」
「南禅寺の湯豆腐なんか有名だけれど」
「大阪の湯豆腐も美味しいわね」
「そう思うよ、大阪らしく気取ってなくて」
このこともあってというのです。
「いい感じだね」
「京都だとね」
「独特の気取りがあるよね」
「それに高いしね」
「湯豆腐でも」
「京都の湯豆腐より安くてね」
そしてというのです。
「気取ってもなくて」
「いいよね」
「それで織田作さんもこの湯豆腐食べていたんだね」
「そうしていたんだ」
「そうだよ、本当に織田作さんは食い道楽だったと」
先生は湯豆腐を食べつつ笑顔で言いました。
「思うよ」
「そうだよね」
「カレーに善哉に鰻丼にね」
「関東煮に山椒昆布」
「それに湯豆腐とね」
「食い道楽の日本の作家さんだと谷崎潤一郎だけれど」
それでもというのです。
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