暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
まだ見ぬ球種
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効果で三つ使える球種がある」
「え?ライズボール以外にもあるんですか?」
「あぁ。ただ、ここまで岡田が要求できないってことは捕球できる自信がまだないんだろうな」
残念そうにタメ息をつく町田。彼の言う球種が何なのかわからない面々は一体それが何なのかを知るために試合へと視線を戻す。
「来るな、フォークが」
先程の解説から岡田の構えを見て球種を見分ける町田。そして彼の言葉を聞いた本部席にいたものたちは彼女の持ち球のことを思い出していた。
「そういえば遠藤はフォークを持ってたんでしたね」
「あぁ。去年の強化指定選手の集まりの時に教えてやった」
U-18の日本代表監督だけでなく秋季から春季に行われる東京都の強化指定選手のチームでも監督を務めている町田。彼はその時に伸び代がある選手にはさらなるテクニックなども積極的に教えている。この遠藤もその一人。
「明宝も構えが変わったことには気付いてるがここまで投げてなかったからな。掛け声が統一されてない」
「そういえばいつの間にかベンチの声がみんな一緒になってましたね」
この日の明宝は一塁側ベンチ。そのため右打者にはサインで岡田の構えから推測された球種を伝えることはできるが左打者にはそうはいかない。そのため常にベンチから聞こえる声を統一させることでそれを行っているのだ。
「この2点で終わるかはたまた追加点を奪えるか。それによっては翼星にもまだ勝ち目はあるよ」
打席に立つ莉子。彼女はマウンド上の少女を見ながらベンチの声へと耳を傾ける。
(カーブかシュートが狙い目だがストレートも十分にありだ。ライズだけは手を出さないでおこ)
前の打席でライズボールで仕留められているだけにそのボールには手を出さないことを心に決めた彼女。そんな彼女の耳に聞こえてくる仲間たちの声は……
「行っていいよ莉子!!」
「来るよ来るよ!!」
(??あれ?声が混ざってる?)
明宝ベンチでは《狙う》の場合はライズボール、《来る》はストレート、そして《行く》が緩急を付けるボールで統一させた。それなのに、二種類の声が聞こえる現象に莉子は困惑していた。
(考えられるのは二つ。向こうがこれに気が付いたか、もしくはまだ投げてない球種……フォークが来る場合!!)
まだ一球も来ていない球種がある以上、一概にバレたと決めつけるわけにはいかない。
(ここは一球見る。それで状況を判断する)
冷静さを失わない莉子。見ることに徹すればそれだけ得られる情報も増えてくる。ランナーを二人背負った状態での投球は真ん中へのハーフスピード。
(甘い球!!……いや、浮いてきてる)
前の打席の記憶が甦る球筋。しかし、その
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