暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
まだ見ぬ球種
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あってもスタートを切ることができない。

「ライズに手を出さなくなったね」
「ようやく目が慣れたってこと?」
「でもここまでは一巡目ですよね?慣れるも何もないと思いますけど」

突然の打線の変化に東英ナインも困惑を隠しきれない。しかし一人だけ……大河原だけはその理由に気付いていた。

「ふっ……なるほどな」
「ひとちゃん何かわかったの?」

含み笑いをする大河原に対し笠井の後ろにいた金髪の少女が不思議そうに問いかける。それを受けて彼女は頬杖を付きながらグラウンドを指さす。

「こんなに簡単な癖が露呈しているとは思ってなかった。誰が気付いたのかはわからないが、相当目の長けてる奴がいるらしい」
「遠藤に癖があるってこと?」
「いや、遠藤に癖はない」

どこに癖があるのかと遠藤に視線を集めた途端にその発言。訳がわからず全員が顔を見合わせ言葉の意味を理解しようとしていた。

「癖はないってこと?」
「いや、癖はあるんだ」
「え?意味わかんないんだけど」
「確かに……あ、そういうこと?」

言ってることが矛盾しており頭を悩ませる一同。そんな中でようやく意味を理解したのはガッチリとした体格の少女。

「え?愛もわかったの?」
「クリンナップでわかんないの望美(ノゾミ)だけみたいだよ?」
「うぐぐぐぐ」

小さな体躯の薄茶色の髪をしたショートヘアの少女。野外スポーツをしているとは思えないほどの白い肌をした彼女は、笠井からの言葉に悔しそうな顔をしていた。

「まぁ球種が完全に分かるわけではないみたいだけどな。次はストレートかな?」
「え?まだモーションに入ってないよ?」

後藤が不思議そうな顔をする。大河原は遠藤がモーションにすら入っていないのに球種を宣言したことが不思議でならない。

そして遠藤が投じたのは本当にストレートだったのだ。

「アウトローギリギリ」
「今のは打っても内野ゴロでゲッツーだったね」
「でもタイミングは合ってたよね?」

スイングにこそ出なかったが動き出しはストレートに照準を合わせていたそれだった。つまり本当に明宝は球種がわかっている。そして言い当てた大河原も同様に把握していることを思い知らされる。

「でも瞳、気になったんだけど……」
「どうした?」

となると今度は何が球種を判別する材料になっているのかが気になる点だが、鈴川は別のことが気になっていた。

「どうやってバッターに球種を伝えるの?」
「「「「「え?」」」」」

鈴川のその言葉は今までの大河原の発言よりもさらに意味がわからない。それに対し大河原は腕を組んでいる。

「そこなんだ。私にもそれがわからない」

二人の会話のせいでますます意味がわからなくなっている面々。彼女た
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