第二章
[8]前話
「それで、ですか」
「ええ、自衛隊はもう何でもね」
「自分のことはですね」
「自分でする場所でね」
それでというのだ。
「上官の人のものもね」
「することがあるんですね」
「やっぱり縦社会だからね」
「そうしたこともあるんですね」
「上官の身の回りのことを当番でしたりね」
「そうしたことがあるんですね」
「それで船だとね」
万里子はさらに話した。
「軍艦ね」
「課長さん海上自衛隊でしたね」
「それで護衛艦に乗っておられたらしいけれど」
それでもというのだ。
「幹部、他の国の軍隊で士官の人達の食事やコーヒーのお世話をね」
「する当番もあるんですね」
「何かそこで嫌いな幹部の人のコーヒーに洗剤入れたり雑巾の絞ったお水入れたり」
「えっ、酷いですね」
睦実は万里子のその話に思わず引いた顔になって応えた。
「そんなの飲んだら」
「身体壊してもおかしくないわね」
「そうですよ」
「それでもね」
「そんなことする人がいるんですね」
「だからね」
それでというのだ。
「課長さん多分そうしたものをご覧になられて」
「それで、ですか」
「自衛隊仕込みでね」
それと共にというのだ。
「そうした現実もね」
「ご覧になられて」
「そうされてると思うわ」
「そうですか、怖いですね」
「人に任せると楽だけれど」
「任せる人によってはですね」
「そんなこともされるから」
だからだというのだ。
「怖いわね」
「そうですね、私も自分のことは自分でします」
「私もこのお話聞いてそうしてるからね」
「課長さんみたいにします」
自分のことは自分でと言ってだった。
そうして実際にだった、睦実は自分のことは自分でする様にした。それは万里子もだったが。
「課長さん本当に絶対にですね」
「コーヒー自分で煎れられてるわね」
「ご自身のことはご自身でされて」
「やっぱり自衛隊でそういう現実見てきたわね」
「そうですよね」
その小此木を見てだった。
二人はわかった、彼が自衛隊で何を見てきたのか。
コーヒーは自分で煎れる 完
2022・2・18
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