”炎”
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美炎にはマッチしない外見はより彼女の異質さを際立たせていた。
だが、ただ一か所。顔だけは、可奈美が知る美炎のままだった。
「可奈美は、どうして?」
「美炎ちゃん?」
「どうして、そんなに前を向けるの? 煉獄さんが、亡くなったのに……そんなに……!」
美炎の声は、震えていた。
これまで、幾度となく荒魂と戦ってきた、刀使の美炎。だが、目の前で見知った人がその命を散らすのは、見たことがないだろう。
煉獄の体が、完全に消失したのと同時に、可奈美は鈴祓いを握る力を強める。
「私がここに来てから五か月だけど……その間、ずっと聖杯戦争が続いていた。その間も、色んな人と出会って、色んな人と別れてきた……」
「……」
可奈美の脳裏に、見滝原に来てからの記憶が想起されていく。
望まぬ剣の戦いを強いられた暗殺者。
剣を通じて仲良くなったのに、その手にかけることとなった少女。
何よりも大切な記憶から再現された、一番助けたい少女。
誰も、助けることができなかった。そして、それぞれの戦いの中で出逢い、手を取りまた離した。
「だからさ。何となくだけど、煉獄さんが言ってたことも分かるんだ。どれだけ苦しくても、未来のために生きなくちゃいけないって……」
「未来のために……」
「私達は、煉獄さんの分も……そして、今まで倒れてしまった、救えなかった参加者の分だって生きなくちゃいけないんだ」
「……うん」
美炎は首を振って、頷く。
その時。
『チョーイイネ キックストライク サイコー』
その音が、可奈美たちの注目を集めた。
見上げれば、八本の仇敵の顔面へ、赤い魔法使いが蹴りの必殺技を放っていた。八つの属性が同時にウィザードに命中し、爆発を引き起こす。
「ハルトさん!」
必殺技を破られたウィザード。変身を解除しながら、そのまま入口近くまで突き落とされていった。
生身の姿になり、勢いよく激突したハルトは、そのまま吐血した。
「ハルトさん、大丈夫?」
ハルトに駆け寄る可奈美。頷いたハルトは
「ああ。大丈夫……あれ?」
ハルトは、可奈美を。そして、美炎を確認する。だが、キョロキョロと周囲を探し出した。
「……煉獄さんは?」
ハルトの問いに対して、可奈美が出来る返答は沈黙。
それを見たハルトは、ぞっとして左右を見渡す。
だが、それに対して可奈美の返答は沈黙。
「そっか……」
ハルトは深く頷く。数秒だけ沈黙を守った後、再び変身しようと銀のベルトを出現させた。つまみを操作し、お馴染みの音声が流れだす。
『シャバドゥビダッチヘンシーン シャバドゥビダッチヘンシーン』
「変……っ!」
だが、指輪をベルトに入れよう
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