暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜仮面の鬼人〜
1話 仮面の剣士
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。「夜行の頭巾」これも灰色の頭巾で、夜になると視界が逆に冴えると言う効果を持つ頭巾だ。後の装備はどれも布きれに等しい装備と言ったところだな。
「ここがボスの部屋だ! 全員気を引き締めていけ!!」
軍の一人がそう声を上げる。すると周りの人間は声を上げた。
命を賭けた戦いなのだから必死になることは分かるが、俺に取ってみればいまいち分からないことだった。2年前の俺なら同じく声を上げて協調性を見せたのだろうが、残念ながら今の俺は人間不信の状態だ。正確には他人を信じることが出来ないとも言ってもいい。
ボスの部屋の扉が開かれ、続々とプレイヤー達が入って行く。俺もそのプレイヤー達の最後尾に居た。
そして目の前に現れたのは三つ頭を持った「Cerberus」ギリシャ神話における冥界の番犬のことだ。ごく一般的に知られている伝説の生き物だが、明らかにサイズがでかい。
獰猛な外見に巨大な体、首には切れた鎖があった。
つっこむのならば、危険な犬は鎖でちゃんと繋いどけ、だ。
プレイヤー達の前衛達は前方に駆けだした。
昨日の作戦会議では包囲をしてから一撃離脱法で戦い、スイッチを行うという物だ。
俺はその中でも最前衛に志願した。
俺は指示通りにケルベロスの正面に出た。打刀を抜き、スッと構える。
ケルベロスが突進を行ってきた。猛スピードで正面に駆けだし、3つの首が俺を含める三人のプレイヤーに照準を合わせた。
「…………」
他の二人が横に回避行動を取るのに対して、俺は立ち位置の関係でバックステップを取るほか無い。だが、俺は正面に駆けだした。
周りのプレイヤーが止めとだの下がれだのと声を上げる中、俺は迷うこと無く前に駆けだした。
ケルベロスが噛み付いてくる寸前に俺は胴体の下にスライディングし、手にした打刀で胴体の真下から斬り付けた。
ケルベロスはグオオオオッ!! と声を上げて後ずさりする。
「スイッチだ。仮面の男!」
「……ああ」
斧を持ったスキンヘッドの黒人が前に飛び出し、俺にそう告げた。
俺はそれに従って後ろに下がる。
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