第二話 キレた赤鬼と魂の旋律
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あった。
「アイツほんと臆病だよな」
「っていうか今年入ってきた奴ら全員生意気なんだよな〜」
「なあなあ、今度ヤツマを寒冷群島に連れてって、捨ててこうぜ」
「泣く子はいねえが〜ってな!雑魚はゴシャハギに食われちまえばいいんだよ」
「泣き叫ぶからモンスターが集まってくるぜ...」
「子泣きキジかっての!あはは!」
「!!!」
ドラコは激怒した。この外道共を殴らねばと決意したのだ。
そして彼らの元に躍り出て一人の先輩をぶん殴る。
「ふざけんな!!!!」
「いてぇ...!なにすんだよ!!」
「ヤツマを馬鹿にすんじゃねえ!!!」
そしてドラコは先輩訓練生に馬乗りになり何度も顔を殴りつける。ヨツミワドウを殴るゴシャハギのように。
「アイツは!誰よりも努力してんだよ!!お前らに何がわかるんだッ!!!」
そして、訓練時に使用しているツインダガーを引き剥がそうとする他の先輩訓練生たちに向ける。その時。
「やめろドラコ!!!」
ドラコの体に鉄蟲糸が巻きつけられた。異変を感じ取ったウツシが駆けつけたのだ。
「ぐっ...!」
「何をやっているんだいドラコ」
「俺は悪くねぇ!あいつらがヤツマを...」
ドラコの言い訳を遮るようにウツシの怒号が響き渡った。
「ドラコ!!!」
「....」
いつも穏やかなウツシがここまでキレたのを見たのは初めてだった。ドラコは何も言えなくなってしまった。そんなドラコを見たウツシは優しくかつ厳しく諭した。
「どんな理由があっても人に武器を向けちゃいけない。武器はモンスターに向けるべきだ。先輩たちだって人間なんだよ」
「.....ゴメン、頭に血が登っちまった」
反省した様子を見せるドラコに微笑んだウツシは、先輩訓練生たちの方を見た。
「分かればよろしい。先輩たちも、あまりヤツマをいじめないでくださいよ?俺も、同期達も、あんたたちの蛮行には内心腹が立ってますからね...」
ウツシは彼等をキッと睨みつけた。
先輩訓練生たちとドラコは一瞬、ジンオウガを見たような感覚に襲われた。
その後、戻ってきたヤツマとウツシと共に訓練に励み、ハンターになった。先輩たちはなんだかんだあって訓練校を退学することになり、ハンターでもないのに上位ハンターと偽って寒冷群島に行った後、行方不明になったらしい。
・・・・・・
「この旋律は...ヤツマの魂の叫びだ。アイツは臆病なんかじゃない。俺の知ってるハンターの中で一番勇敢な心の持ち主なんだ!!!」
ドラコは確信を持って呟いた。共に戦っていた仲間たちも同意する。
「さあ行こうか!アイツの勇気を無駄にするわけにはいかないぜッ!
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