第一話 寒冷群島の紅き鬼狩り
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々に大きくなっていく。近づいてきた証拠だ。
――グオオオォォォ
ドラコはとっさに木の陰に隠れ、様子を伺った。熊のような大柄な牙獣種のモンスターが唸り声をあげながら闊歩していた。
(......ほ、本当に出た....寒冷群島にいる雪の鬼....!)
気づかれないようあとずざりするが、\パキッ/ と音が鳴ってしまった。枝を踏んでしまったのだ。
「!!」
ドラコがハッとした時には既に遅し、ゴシャハギは既に背後をとっていた。
ゴシャハギが右腕を振り上げる。その手には氷を纏っており、刃のように鋭い。
ドラコは最早ここまでかと目をつぶったが.....
何者かに助けられた。それは、ドラコの育った村....ワーニェ村に常駐しているハンターだった。
「.....やっと見つけたぜ....大丈夫かい?」
「おじさん.....」
ドラコはホッとしかけたが、突然恐怖で目を見開いた。
ゴシャハギの振り下ろしでハンターの左腕が切断されてしまっていたのだ。
「おじさん、腕が.....!」
「大したこねーよ。おっさんそろそろ引退を考えてたんだ....丁度いいぜ」
「....ごめんなさい」
「無事でよかった、ドラコ」
その後、ゴシャハギは応援に駆けつけたハンター達により討伐され、村に運ばれ、これが雪の鬼の正体だと知らされた。
無事に村に戻ってきたドラコだが、ひとりのハンターの、「ハンターとしての生命」を奪ってしまったことを後悔し、ハンターとなりゴシャハギを狩猟することを誓った。
・・・・
自分の過去を思い返したドラコは、気合いを入れ直した。
「.....やっと戦えるぜ、ゴシャハギ...!」
ドラコは耳に神経を集中させる。
「.....」
――――オォォ
唸り声がきこえてきた。ゴシャハギの習性のひとつで、唸り声をあげながら獲物を探して徘徊するというものだ。
―――グオォォ
徐々に大きくなっていく。近づいてきた証拠だ。
――グオオオォォォ
「唸り声は南からか......よし、行くか....」
「グロロロロ!」
「グオオオォォォ!!」
「ん?」
ドラコは別の声を聞いて慌てて声のする方向に向かった。。
するとそこにはゴシャハギだけでなく、河童蛙ヨツミワドウが。
「確か、ヨツミワドウとゴシャハギって.....」
ヨツミワドウとゴシャハギは仲が悪いとされている。
ゴシャハギの徘徊時に発せられる唸り声が原因で獲物が逃げてしまい、怒ったヨツミワドウが飛び出してくるというのだ。訓練生時代に座学でやった事を思い出したドラコは動きを観察することに。
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