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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてアイドル対決は、阻まれる(前編)
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を飛び越え、そいつに一直線に駆ける。
当然、人の首を噛みちぎったやばい奴がいるとなれば観客もパニックに陥る。
しかし
「みんな!こっちよ!!」
「落ち着いて行動してください!!慌てないで!!」
アイドル歴は長いと自称するだけあってか、エリザベートと麻美の二人が観客達を上手に誘導し避難させる。
そのおかげで人が蜘蛛の子を散らすように逃げ、大混乱な状況にならずに済んだ。
そうして、葵は思いのほかスムーズに現場へと駆けつけられた。
「このォッ!!」
相手は人間じゃない。
よって容赦なく後ろからその首に回し蹴りをくらわせる。
ゴキリという骨の音と共に、腐敗して接続の甘くなっていた首は吹き飛んだ。
「…。」
首のなくなったグールは、少し棒立ちしたあとばたりと倒れる。
「大丈夫ですか!?」
「ぐぅ…ううう…!」
しゃがみ、のたうつ男に声をかけるが呻き声しかあげられない様子。
よほど苦しいらしく、すぐさま手当をしなければと思ったが、
「あっ、がががが!ぎゃああああああ!!!!!」
「!?」
一際激しく暴れ回り、目、鼻、口、ともかく穴という穴から血を垂れ流して彼は事切れた。
「…死んだ?」
動かなくなった観客。
しかし、
「…!」
次の瞬間、何事も無かったかのように起き上がったのだ。
分かっている。これは…。
「ッ!」
彼もグールになった。
そうして一切の慈悲もなく、拳を振るい頭を思い切りぶん殴る。
ありえない角度まで曲がり、くるくると回りながらさっきまで生きていた観客、もとグールは倒れた。
「!!」
一安心した次の瞬間、何者かに後ろから羽交い締めにされる。
何者かと後ろを見てみれば、それはなんと
「こいつ…!頭をやったのにどうして…!?」
先に倒した、頭を吹き飛ばしたはずのグール。
頭をやれば死ぬ。だがこいつは生きている。
さも当然のように、当たり前のようにだ。
「!!」
それだけじゃない。
ぶん殴ったグールもまた、何事もなく立ち上がりこちらに迫ってくる。
しかし、そうはいかない。
「離せ、よッ!!」
強引に拘束を振りほどき、後ろのグールの脇腹に容赦ない肘打ち。
次の瞬間、当てた場所が爆ぜた。
「いいこと教えてもらっちゃったなぁ。美鈴さんに感謝しないと。」
今の技は”気”を使ったもの。
かつてレッスンの合間にて紅美鈴から教わった武術を応用したものであり、多少ながら気の流れを操作することを会得したのだ。
よって、普通の殴打に気の流れを持っていき、爆発させる。
そうすることでダメージを何倍にも跳ね上げた。
そうして迫る別のグールにもおみまいしてやろうとしたが、何かを察知し
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