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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてアイドル対決は、阻まれる(前編)
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すか。たとえこの先どんな馬の骨が出てこようと、アイドルの頂点に君臨し続けるのはアタシ達。twin dragonよ。」
観客席からはもっとやれー!だの聞こえてくる。
後ろにいる香子はあたふたしてるしあっちも喧嘩はやめた方がいいんじゃない?とエリザベートにそう言っている
「葵様…熱くならず冷静に。大人の対応を。」
「大丈夫。心配ないから。」
熱くなってはいない。ただエリザベートがムカつくので文句を言ってやるだけだ。
それにこんなちっさい真っ平らなクソガキに大人というものを教えてやるのもまた、大人としての役目だ
「いい?もう一度確認するわよ?アタシ達が勝てば、あなた達はあの土地を譲ること、それとアタシ達のサポーターになってアイドル活動の援助に尽力すること。無論アンタのところのプロデューサーと特別講師もね!!」
「はぁ!?」
キレた。
身に覚えのない約束をされているからだ。
自分達はアイドル対決に負けたらあの図書館を譲るという条件だけだったはずだ。
それが何やら増えている。
「なんか増えてない!?」
「ふふっ、勝者の特権よ。あなた達も勝てば、アタシ達になーんでも命令していいのよ?まっ!勝てるわけないんだけどねー!!!」
ムカつく。
もう大人じゃなくていいや。
今すぐにこいつをぶん殴って世の中の厳しさを叩き込んでやりたい。
そう思って一歩踏み出そうとした時、紫式部が止めに入る。
「…葵様。」
「何!?止めないでよ!!」
「いえ、そうではなく…。」
紫式部は深刻そうな顔であたしの耳にそっと囁く。
何かと思って耳を澄ませてみれば…
「何やら先程から嫌な予感がするのです…今すぐにらいぶを」
「ぎゃあああああああああ!!!!!!」
悲鳴。
紫式部がなにか言おうとするのを遮るように、観客席から声援とは全く違う声が上がった。
「あら、何?」
「エリザ!!あれ見てよ!」
麻美が指を指した場所。
そこは集まっていた観客席が引き、二人の男がいた。
一人は浮浪者だろうか?やたらとボロボロの格好で立ち尽くし、そして傍には首を押さえたまま倒れているもう一人が。
「…!!」
その異様さにはすぐに気付いた。
倒れた男の押さえている部分、すなわち首から血がとめどなく出ている。
そしてもう一人は
「くっちゃくっちゃくっちゃ…あ”ーーーーー」
生気のない顔を血まみれにし、くちゃくちゃと”何か”を咀嚼していた。
あれは浮浪者じゃない。
「葵様!!」
「分かってる!!」
あれは見た事がある。グールの類だ。
おそらく噛まれて仲間入りを果たしたのだろうが、なぜそんなものがここに?
考えている暇はない。ステージを駆け下り、仕切り用のパーテーション
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