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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてアイドル対決は、阻まれる(前編)
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あらら…。」
「あぁ”…うあぁぁ」
それを阻むかのごとく裏方に現れたのは、また別のゾンビ。
見てわかる。
これは、誰かに操られている。
1度死に、傀儡として何者かに主導権を奪われた屍の末路だ。
「あぁ…あああああ!!!!」
「だず…げで…ぼうやだ…。」
「ごろじで…ごろじで…くれ。」
一体だけではない。
何体もの屍がこうして裏方に押し寄せてくる。
その口から出たそれは死んだ脳から発せられた意味の無い言葉の羅列か、はたまた僅かに残った意思が訴えかけているのか、
まぁなんと言おうがへカーティアには関係の無いことではあるが。
「ちょっと邪魔よ。」
指を鳴らすと、男達の頭が弾け飛ぶ。
しかしそれでも止まらない。
倒れるも、それらは頭がないのが当たり前のように立ち上がる。
「これは…ちょっと厄介。随分とタチの悪い呪術をかけられたみたいねぇ…余程性格悪いやつじゃないとこんな呪いかけないわよ…。」
まだまだ後ろに控えているゾンビとこれをかけた術者にウザったさを覚え、ヘカPは排除にかかる。
ともかく急がねば。
ソフィーは先にこれを察知しどこかへと向かったが、これではステージが大変なことになる。
「このアイドルステージにあなた達はお呼びでないの。あなた達を呼んでいるのは地獄。地獄の女神が直々に送ってやるわ。」
?
その頃ステージでは、
裏方でとんでもない事が起きているのも知らず、最高潮に盛り上がっていた。
最後の曲、『しかたないじゃない』を見事に歌い切り、観客達はまだ足りないとアンコールの嵐。
しかししょうがない、次が控えているのだから。
「その盛り上がりは、次の方にとっておいてください。」
「そう。あたし達はこれでおわり。名残惜しいけど次のバトンを渡さなきゃいけないからね。」
泣く泣く2人の退場を惜しむもの、未だにアンコールを望むもの、今度はいつライブをやるんですかと尋ねるもの、
様々なものがいるが、ここにいる人達はウィステリアのファンだと言うことは共通している。
自分達も、すっかり有名になってしまったものだとひしひしと感じてしまう。
そして、
「やるじゃない。ここはアイドル歴の長い先輩として素直にすごいと褒めてやるわ、まな板。」
観客席から見て横側、袖幕から自信満々にやってきたのは次に歌を披露するエリザベートとそのマスター、大久保 麻美。
当然観客席には彼女らのファンもいる。
なんならここでライブをすると言ったら遠方から駆けつけてきてくれた熱心なファンだっていた。
今度は彼らが熱くなる番だ。
「来たね洗濯板。あたしと紫式部の凄さにビビって逃げ出したのかと思ってたよ。大人しく頂点譲るんなら今のうちだけど?」
「そんなわけあるもんで
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