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イベリス
第四十一話 〆切を意識してその一

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                第四十一話  〆切を意識して
 咲はプロットの合格が貰ってからいよいよ下書きに入っていった、そうしてどんどんと描いていったが。
 ここでだ、クラスでこんなことを言った。
「正直〆切までに描けるか」
「不安なのね」
「そうなのね」
「かなりね」
 実際そうだというのだ。
「どうなるか」
「ちょっと危ない?」
「執筆進んでいないとか」
「進んでいるけれど」
 それでもというのだ。
「不安なのよ」
「〆切に間に合う」
「進んでいてもなのね」
「それでも」
「これがね、〆切は先でも」
 このことはわかっているがというのだ。
「これがね」
「〆切に間に合わない」
「落ちるかって思うと」
「そうなるのね」
「そうなの、よく漫画家さんのネタで〆切があるけれど」
 事実これの話は多くの漫画家が扱っている。
「その気持ちがわかるわ」
「追い詰められる?」
「時間が迫っているって」
「そう思うのね」
「そうなの、間に合うのかってね」
 その様にというのだ。
「不安で仕方ないわ、だから完成するまでね」
「ほっと出来ない?」
「何かそれってかなり辛そうね」
「漫画家さんの気持ちわかるわ、週刊雑誌だったら」
 そこで連載を持つと、というのだ。
「どれだけ辛いか」
「そうよね」
「その場合はね」
「もう毎週〆切だから」
「ストレスも大変ね」
「そう思うわ、よくやれるわ」
 咲は尊敬さえ込めて言った。
「本当に」
「そうよね」
「毎週〆切って凄いわよ」
「ストレスもね」
「それに毎週挑むとか」
 そうしたことはというのだ。
「凄いわ、それもずっとなんてね」
「連載持ってる間ね」
「ずっとそれが出来るなんてね」
「それだけで凄いわよね」
「週刊漫画雑誌に連載持ってる人は」
「そう思うと漫画家さんって凄いわ」
 咲はしみじみとした口調で述べた。
「私だったら無理よ」
「私もよ」
「毎回〆切に追いかけられるとかね」
「その中で描いてくとかね」
「まず無理よね」
「ええ、けれどお仕事ってね」
 咲は漫画家に限らずそれ全体の話をした。
「全部そうよね、アルバイトだってね」
「緊張感ってあるわよね」
「スーパーでもコンビニでもね」
「肉体労働でも」
「どんなのでもね」
「そうなのよね、私もね」
 速水の店でのアルバイトもというのだ。
「結構色々なお客さん来て雑用も色々あって」
「暇じゃないのね」
「受付に雑用って」
「そういうので」
「大したお仕事じゃないかも知れないけれど」
 それでもというのだ。
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