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ドリトル先生とめでたい幽霊
第五幕その十二

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「だったらね」
「いいから」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「王子もだよ」
「和洋折衷のファッションでも」
「いいよ」
「それはいいね、じゃあね」
「そうしたファッションをだね」
「考えてみるよ」
 真剣にというのです。
「僕も」
「それではね」
「うん、全く日本はファッションも魅力的だよ」
 王子は真剣なお顔で言いました。
「他の色々なこともで」
「それでだね」
「ファッションもだよ」
「それも今のファッションもで」
「そしてね」 
「昔のファッションもだね」
「奈良時代、平安時代もよくて武士の鎧もね」 
 これもというのです。
「素晴らしくて江戸時代の服も」
「いいんだね」
「傾奇者の服もよくて」
「明治や大正のファッションも」
「和洋折衷が」 
 まさにそれがというのです。
「最高過ぎるよ」
「じゃあ大正の頃の女の子のあれはどうかな」
「振袖袴に靴だね」
「パラソルもあるね」
「あれは反則だよ」 
 それこそというのです。
「本当にね」
「王子にとってはだね」
「うん、あんな魅力的なファッションないよ」
「そこまで気に入っているんだね」
「今もあんなファッションだったら」
 それこそというのです。
「よかったのにね」
「今は流石にそうしたファッションの人はいないね」
「うん、それでね」
 こうも言う王子でした。
「だから余計にさっきの人がね」
「印象的だったんだね」
「まさかと思うけれど」
「まさか?」
「織田作さん本人かな」
 こうも言うのでした。
「さっきの人は」
「服装が銅像のままだったからだね」
「今そうも思ったよ」
「それだと幽霊だからね」
「そうだね、けれど幽霊も」
「存在するからね」
 先生も幽霊は否定しません、何しろお国のイギリスは兎角幽霊のお話が多いからです。
「だからね」
「その可能性もあるかな」
「そう思うよ、僕は」
 こうしたことを言ってです。
 先生は皆と一緒にフィールドワークをしてでした。
 また神戸に戻って論文を書きました、先生の学問は続くのでした。
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