煉獄
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するな!」
微かに声の張りがないように感じる。
だが、煉獄はそれを振り切るように、次の行動に移っていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおっ!」
煉獄の声とともに、彼の体から炎が溢れ出す。さらに煉獄は、美炎を逃さないよう、美炎の両腕を掴む。
「な、何これ!?」
「君の体内に物の怪がいるならば、今はそれを封印しよう! 炎の呼吸、その真髄を! 今こそ見せるとき!」
「放して! 放してよ!」
だが、美炎の訴えを、煉獄は聞くことはない。
そして。
「炎の呼吸 奥義」
そのまま煉獄は、日輪刀で加州清光の動きを封じながら。
美炎の体を抱き寄せ。
「煉獄!」
再び、その技を発動させた。
彼が持つ最大火力のそれは、日輪刀を中心に発生。炎の渦を作り上げていく。
「放して! 放してったら!」
だが、煉獄は放さない。そのまま彼の日輪刀から放たれた炎は、煉獄ごと美炎を焼き尽くしていく。
そして。
漆黒の鎧兜を纏った美炎。その、兜の部分が、焼き切れた。
「……え?」
髪に相変わらず荒魂の目が埋め込まれ、姿も荒魂に乗っ取られたまま。
だが。
その瞳は、可奈美が良く知る美炎のものと相違ない。
そして。
「安桜少女……大丈夫か?」
「煉獄さん……?」
「煉獄さん!」
可奈美は思わず叫ぶ。
加州清光を抜き取った煉獄が、力なく体を傾けたのだった。
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