煉獄
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レギアはブライの背中を蹴り飛ばし、両手を顔のすぐ傍へ構える。
「キサマ……っ!」
ブライは振り返りざま、紫の拳を放とうとする。だが、すでにトレラアルティガイザーの準備を終えたトレギアの方が、攻撃が速かった。
「さよなら」
紫の雷はそのままブライを壁まで突き飛ばし、爆発させる。やがて彼の姿は、埋もれた瓦礫の中からはみ出るラプラスソードと腕だけになってしまった。
「ソロ……」
「こっちを見てよ! 可奈美!」
気を取られた可奈美へ、美炎の炎が飛ばされる。可奈美は慌ててジャンプして、その炎を避けた。
「美炎ちゃん……!」
美炎は煉獄と距離を取りながら、可奈美を睨んでいる。彼女を無視してヤマタノオロチと戦うのは無理だろうと感じた。
「ふむ……松菜青年!」
可奈美の様子を見た煉獄は、一人でヤマタノオロチと戦うウィザードへ呼びかける。
ウィザードはいつの間にか水から風になり、ヤマタノオロチの頭上で風の銃弾を打ち鳴らしている。
「何!?」
「すまないが、しばらくヤマタノオロチの相手を頼みたい! どうやら安桜少女を元に戻すには、少し骨が折れそうだ!」
「いいけど、なるべく早くこっちも手伝って! 一対八って結構キツイ!」
『エクステンド プリーズ』
叫んだウィザードが、その両手を伸縮させる。緑の回転とともに、接近してきたヤマタノオロチの顔を切り離している。
だが、ウィザードのことを見てもいられない。
瞬時に可奈美との距離を詰めた美炎へ、可奈美は慌てて応戦した。
だが、さらにトレギアが美炎へ加勢してくる。長い爪を活かした攻撃で、剣が主役の戦場でも遠慮なく混じっていく。
「太阿之剣!」
「不知火!」
可奈美と煉獄の刃が、同時に円状に切り払う。互いを中心に描いた円は、トレギア、美炎を切り払う。
だが、即座に美炎の攻撃は再開される。それに対し、煉獄の剣が、その炎を飛ばすことで、だんだんと相打ちに持ち込んでいった。
だが、その中で特に厄介なのがトレギア。彼のもつ遠距離攻撃が、可奈美と煉獄の足を妨害していく。
「トレギア……! 煉獄さん! 美炎ちゃんをお願い!」
可奈美はそう言うが速いが、煉獄の了承を待たずにトレギアへ刃先を向ける。
一方、トレギアも挑んでくる可奈美に対して爪で応戦。
「おやおや? 随分と安桜美炎に遠慮がちじゃないか。刀使とは、荒魂を斬って祓うものだろう?」
「美炎ちゃんは友達だよ! だから、絶対に助ける!」
「なら、あの荒魂の少女は見捨てるわけだ。まあ、人間じゃないしね」
「人だとか人じゃないとか、そんなもの関係ない! 私は、守りたいものを全部守る! 人間でも荒魂でも!」
___それがきっと、姫和ちゃんにも
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