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おっちょこちょいのかよちゃん
191 生物を操る者
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できればいいが」
 ジャンヌは提案した。
「なら、その山を越えていこうぜ」
「ああ、だが、雷鳴が常に鳴り響く山だ。雷の山と呼ばれている。嘗ては『デンキ』なるものを集めやすい所であったが、戦争を正義とする世界の一つになってしまっている。そこも取り返す必要があるぞ」
「了解でやんす!」
「ですが、濃藤すみ子ちゃんをもう少し休ませてあげてください。それから本部にこの事を連絡をお願い致します」
「俺がやるよ」
 川村が通信機を取り出した。
「こちら領土攻撃班、川村!今赤軍の人間二名と対峙した。ここからは危険な為俺達は『雷の山』を通る道を進みたいと思う」
『了解した。あそこは危険な地なので不意に雷撃を喰らわないように注意してくれ』
 イマヌエルが応答した。
「了解」
 すみ子達は雷の山の方角へと向かった。

 少女は鳥に乗って少し東の方へと向かう。
「おお、戻ってきたか」
「全く、一人で移動されては困るでごわすよ」
 二人の男が出迎えた。一人は髭を生やした男、もう一人は肥満体型の男だった。
「ごめん、利通、隆盛」
「ところで、助けに行った者共は無事だったのか?」
「うん」
 少女はそっけなく答えた。
(本当に役に立つね・・・)
 少女は今までこの世界に来るまでにこのスケッチブックを活かす事があまりなかったのでその反動からか、有効に使える事に心の中で嬉しく思っていた。
「次、どこに行く?」
「ああ、かなりの強者(つわもの)がおる地帯はあそこだ」
「うん、行こう」
 少女はチーターを召喚して乗り、チーターを疾走させた。

 こちら紂王の屋敷。妲己は朝帰りの疲れから疲弊して眠っていた。その地に紂王が入って来る。
「妲己・・・。随分と疲れているのだな。寝ているそなたも美しい・・・」
 紂王は添い寝したい気分ではあったが、接吻に留めた。
(はて、効いた話では、あの『藤木茂』という少年を奪い返さんとする輩が近づいているらしいが、果たして如何なものだろうか・・・。折角この世界に送り込まれて住み慣れたこの館も捨てがたいが、やはり別の地に移動して逃げた方が良いか・・・。あの少年や愛しい妲己の為にも・・・)
 しかし、紂王はある事が頭に浮かんだ。
(だがあの少年はまだ己の嫁を決めていない・・・)
 紂王は頭を悩ませていた。少年は今、遊女達と遊んでいた。

 かよ子達は羽根を飛ばすのに疲れていた。
「疲れた・・・」
「山田かよ子、少し休むが良い。そろそろ昼飯どきだ」
 次郎長が案じた。
「うん・・・」
 その時、通信機から声が聞こえて来た。
『皆さん、お疲れ様です。そろそろ昼食時となりましたのでお送り致します』
 皆の前に昼食が送られてきた。献立は天ぷら蕎麦だった。
「天蕎麦か、久々だな」
「おお、
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