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絶撃の浜風
外伝 赤城編 04 佐世保沖海戦とティレニア海海戦(T)
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、今も昔もしたたかである。彼らは常に戦略的思考をし、勝つために必要な案件に傾注し、最終的には勝つ・・・・そんな彼らが今、自分たちが置かれている状況をわからないはずがない・・・・だからこそ有り得ないのである






 実の所、赤城にはこの戦いに於ける深海棲艦側の戦略がほぼ見えていた






 サンディエゴへ日欧の艦隊が集結したタイミングでの深海棲艦軍のこれみよがしな南西諸島進軍、そして直後のパナマ運河襲撃・・・・


 状況は、欧州の【どこか】が本命であり、南西諸島沖の軍勢は【陽動】である事を如実に語っていた


 ディエゴと南西諸島で艦娘を釘付けにし、その間隙を縫って何かを成そうとしている・・・・・欧州のどこかに、それ相応の大艦隊が襲来する近未来が透けて見えていた




 なのに、である




 欧州連合は増援は不要と言った。つまり、欧州連合は今、何が起きているのかを事前に知っていた可能性がある。にもかかわらず、ディエゴに主力の艦隊の派遣を中止せずそのままにしている


 欧州連合は間抜けではない・・・残された少数の艦艇だけで、その軍勢に対抗できる策がある、という事になる





 赤城と加賀は、深海棲艦に陽動の出汁にされた事もさることながら、欧州連合にこちらの動向まで見透かされているようで、それに腹を立てていたのである
 






 



「状況にもよりますが、こちらを片付けたら欧州に殴り込み、というのも面白そうですね、加賀さん?」


「それも一興です」







「全艦、準備が整いました。いつでも出れます」




「では、そろそろ行きましょう、赤城さん」



「ですね・・・・」






(2021年10月29日・30日 執筆)



本日ヒトヒトマルマル、秘書官代行の大淀から、作戦開始の合図が通達される




【作戦は開始されました! 全艦出撃! 全艦、出撃せよっ!!】





古鷹、加古を先導艦に、第一機動部隊は浦賀港を出航した


総勢23隻・・・・途中、呉、佐世保、舞鶴の艦艇と合流し、最終的には52隻による艦隊となる




だが、深海棲艦軍は総勢200隻以上・・・・・数にして四倍の戦力差である


流石に艦娘たちの間にも緊張が走る



だが、赤城と加賀はまるで意に介していないのか、実にあっけらかんとしていた







「たったの4対1では、些か緊張感に欠けますねぇ・・・」



「ですね・・・あの時に比べれば、どうということはありません。鎧袖一触です」




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